せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「銀色の髪のアギト」、見ました

銀色の髪のアギト 通常版

 ここ一年くらいで劇場でやったアニメのはずだが、早くもBShiに登場。タダなので、見てみました。が。
 これはあたんねーだろう。作画とかは悪くないんだが、とにかくお話に隙がありすぎ。ちゅーか、ちゃんと世界設定をしたのかしら。「地球の長い午後」っぽい、天変地異の後植物が支配する世界となった未来の地球らしき。に、細々と、しかしたくましく生きる人類。主人公のアギトはある日過去の遺物である建築物の中でカプセルに閉じこめられた少女を見つける。
 という導入はまあ悪くないんだけど。物語上の「現在の」地球における、森の位置付けがさっぱりわかんない。森の中に住んでる人とか、ご信託出してるっぽいヘンな双子みたいな子どもとか、あれ何? あと、森が人を特異体にする理由とかも説明なしだし。
 なぜこういう世界になってて、生き残った人たちはどういう社会を営んでいて、がしっかりしてないと、主人公の活躍にどういう意味があるのか全然わかんないですよ…。
 この感覚はしばらく前に見たおフランスのCGアニメ「ケイナ」に似てる…。宮崎ちっくなガジェット(コナンとかナウシカとかラピュタとか)を持ち込んで、取りあえずこの雰囲気で世界を納得してください、みたいな。納得いかねーよ!
 森に対する最終兵器とかいう動く山もなんだかなあ…。あれで焼き払うって言うんでしょうか。そのくらいの武器だったら当時動かしてみててもよかったと思うよ。ためらうほどの効果がある気がしません。しかも、動いてるのにどこからかマグマが供給されてるみたいだし。リアルを追求すればいいとは思いませんが、うそはもう少し丁寧につこう。
 テーマ的にも自然を大事にし共存していこう、と解釈しようにも、この世界の植物は人間が遺伝子いじった後の天然自然のものではないらしいし、どう読もうにもすっきり感がないです。いっそ、昔何があったにせよ、今の人は今の人なりにがんばって生きていく道を見つけてるんだから、過去の人が勝手な良心の呵責であれこれ手を出すんじゃねー! という現実肯定な話という落とし方はどうだったでしょう?<誰に提案。
 最後に森の人が赤ん坊二人抱っこして、泉みたいなのの側に立ってましたが、あのシーンの意味がさっぱりわからない私はおばかさんなのでしょうか。
 製作入る前に誰か脚本にリテイク出そうって人はいなかったのかと、ちょっと不思議な気が。コンテ切ってる人だって、「なんでこういう話なんだろう?」って思わなかったのかしら。
 最近よく話題になる、声優じゃないキャストに関しては、それほど演技がつらいとは感じませんでした。むしろこんな感情移入のしどころがなさげなお話で演技せいっちゅーのが酷。俳優の皆さん、お疲れさまでした。

 雰囲気似てる気がするという「ケイナ」はこれ↓。
ケイナ デラックス版