せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

今見てもツラい話だわ

 深夜に再放送している「宇宙戦艦ヤマト」を、世代の宿命のように相方が録画して見ている。それを端からチラ見している私なのですが。
 今日見ていたのが「ビーメラ星地下牢の死刑囚」という、話の本筋から言うと脇なエピソード。だけど、これがいろんな意味で重いのよね。子どものころ見た時も子供なりにどんよりな気分になりましたが、今見ても十分重い内容。
 ビーメラ星とガミラスの植民地的な関係に、食料補充という目的でヤマトが干渉する、その辺のいきさつもなかなかしんどく、雪の「味方面しないで! あたしたちだって野菜泥棒じゃないの」というセリフでどよーん感MAXになります。(この辺のいきさつが気になる方は、タイトルでクグってようつべに頼るかあらすじ読んでください)
 が、それ以上にどよーんになるのが森雪とアナライザーのやりとり。ロボットに惚れられて迷惑120%の雪はアナライザーを邪険にしまくり、未知の惑星の原住民に捕らえられ命の危機に追い込まれたせっぱつまり感から「あなたは鉄くずに帰るだけでしょうけど、人間にとって死ぬってことは大変なことなのよ」とキレて、「神様が作ったという人間と人間から作られた僕と、命の重さに変わりがあるのですか」と逆に諭される始末。しかし、アナライザーに人格の深さを見たところでやっぱり超えられない壁はあるわけで、助けに来た古代の姿を見つけると雪は命がけ(?)でかばうアナライザーをおいて反射的に抱きついてしまう。アナライザー、ショック。
 もー、この辺の「あなたはとってもいい人、だけど…」みたいなアナライザーに対する雪の仕打ちがなんとも。「おなごは残酷やのう」と同性ながら思ってしまいますよ。セクハラマシーンなアナライザーですが、この回で示される人柄(?)はたいしたものなのです。だけど、その崇高さを認めても、例えばカレシにできるかっちゅーと、やっぱ苦しいなーと。
 問題は、じゃあ彼が見栄えよいヒューマノイドタイプのボディを持っていたらどうなのか? って点ですけど。おなごは見栄えで超えられなかったはずの壁を超えちゃうんでしょうか。…超えられたら、なんかちょっといやーんって気もします。
 たかだか30分、しかも30年以上も前のアニメですが、この中身のつまりっぷりはたいしたもの。やはり古びても名作は名作だなーと思いました。

 しかし、けなげで可憐で素直、というわけじゃない、けっこうヤな性格でもある森雪といい、一作目のヤマトのキャラっていい子ちゃんじゃないとこがいいよなー。さらば以降の、品行方正でいかにも正義の味方然としちゃったキャラたちには全然感情移入できんかったもんな。