見る気がしない
八月を目前にして、やけのように実写版「サンダーバード」のCMが流れ始めました。封切りまで後一週間、テコいれすべき時期になったと悟ったせいでしょうか。
こうやって動く実写版をごくごく一部なりと見てみますと。
…見る気がしない。見れば見るほど「あかん」感が強まってしまうのは、私がワガママなせいでしょうか?でも、これは私がお子様の頃から慣れ親しんできた「サンダーバード」とは、あまりにも別物すぎますよ(涙)。
などとエラそうに言うからには、わたくしにとっての「サンダーバード」のポイントがどこかをお伝えせねばなりますまい。(いやと言われても伝えます)
まず、おハイソ感があること。トレーシー一家は私費で国際救助隊を作ってしまうお金持ち。でも、そのありようは成金的ではありません。お洋服の好みやトレーシーアイランドの内装なども、流行の軽さよりはシックさを感じさせます。(ペネロープやミンミンは時折当時の最新ファッションを身に付けてますが)リッチが自然に身についたおハイソ感は、ペネロープの暮らしぶりで頂点に達します。
次に英国のまったり感があること。子ども向きなのに妙に老成した雰囲気がある「ウォレスとグルミット」、アメリカンなキッズ番組にはない空気が漂ってます。「サンダーバード」の背景にあるのも、あのゆったり・まったり感。ペネロープとパーカーの余裕ある会話は、普段の生活の延長上にあるのでしょう。ちゃらちゃら・せかせかは「サンダーバード」には似合いません。
そして、重量感。なめるようにサンダーバードの各メカを写す画面。フェティシズムがあふれる直前(いや、あふれてるかも)のカメラから伝わる重さは、とてもミニチュアのものとは思えません。スピーディーで軽快なメカも、それはそれでいいでしょうが、私がサンダーバードのメカに求めるかっこよさは重量感なのです。重いものが空に舞い上がるワクワク感がいいのです。そして、重いメカを支える各種のギミック。細かい技が脇を固めての重量感ゆえに味わいが出るのです。
しかし、しかぁし。
TVトレーラーを見る限り、実写版にはそういうテイストは皆無な感じ。アメリカ映画だからしかたないけど、匂い立つのは英国風ではなくアメリカン。それって「私が見たい」「サンダーバード」じゃないのよねえ…。主となる市場のアメリカでの原作の知名度が低いから、初心者向きの導入編、大人向きじゃなくてファミリー層向きっを狙ってるそうだから仕方ないんでしょうけど。
そこまで「違うもん」だったら、無理して見なくてもいいし。原作のビデオでも見直してればいいし。
少なくとも「わーお」とか「ひゃっほう」とか言うトレーシー兄弟なんか見たくない私なんですが(涙)。
雑誌の特集とか、映画の公式サイトとか、情報入れるほど気持ちが引いていきます。
でも、続編作るかどうかは結構日本市場にかかってるそうですよ。どうなることやら。