ゆずが!!!
実際に会ったことがなくてもエッセイやマンガで本人を知ったような気がしてしまうことってある。動物でもある。私の場合、野田知祐さんと共にあったガクがその最高峰で、シーナ作品を読むうちにあこがれが妄想となって成長し、ガク会いたさに(大きな声では言えないが)会社を休んでホネフィルムの上映会に行ったことがあるくらい。(ここで私とガクは会ったことがない関係を解消したわけだが<一方的に)
私の心のもっとも理想の犬、ガク。鼻面が黒いアインを家に連れてきたのも、ガクの影響が強い。
だから、「本の雑誌」紙上でガクの死を知ったときはものすごくショックだった。二回ほど遠目に見ただけの犬を思って泣いた。ガクに関する写真集やエッセイは買い集めたものの、未だにじっくり読めない。
そういう前例があったから、そろそろ寿命であろうと気づいていた須藤真澄さんのゆずに関する情報は、敢えて見ない聞かない調べないようにしていた。
「ゆず」「ゆずとママ」は猫飼いではない私ながら何度も読み直したくらい好きなマンガだ。この二冊で勝手にゆずに親近感を憶え、ホンダのCMでユッスー・ンドゥールの曲が流れるたびに「あー、ゆずの歌だ」なんて一人ごちたりしていた。もちろん、ゆずと聞いて思い浮かぶのは男性二人のデュオの姿ではなく、脳みそがちっこい猫のこと。そんな私がゆずの死を聞けば、ガクと同様に大ショックを受けるのは間違いないはず。
が。広いネットの情報網、ふらふらと出歩くだけでもうっかり出くわしてしまうものもあるわけで。
須藤真澄さんのサイトでついにゆず永眠の報が載った。16才。病を得ていたとはいえ、けして短命ではないと思う。でも、それで慰められないのが長年を共にした飼い主の気持ちなわけで。
とか書きながら、もう泣きそうなのでやめ。
生き物と暮らすのは豊かなことです。だから、その豊かさを失うと呆然としてしまう。