せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

今週の平積み

 は、「パノラマ島奇譚」(プレゼンター松尾貴史)と「ガリバー旅行記」(プレゼンター奥泉光)。奥泉さんが漫談する方とは知りませんでした。「グランドミステリー」も「新・地底旅行」も未読ですみません。
 テーマパークが好きな方に送る名作、だそうですが。パノラマ島はテーマパークというか、お化け屋敷に近いグロ遊園地ですよねえ。乱歩のそっち嗜好がてんこ盛りですもん。
 と書ける私は「パノラマ島奇譚」を何と珍しく読んでいる!今までこの番組を見てきて、初めて「これ、読んでます!」と胸を張って言える本です。中学生くらいの時かな。そういう自分はいかがなものかと思います。(でも風太郎の忍法帳は「まだ読んではいけない」とリリースした中学生です(笑)
 スタジオ観覧者の江戸川乱歩知らないっぽい雰囲気がすごい不思議でした。ということは、江戸川乱歩エドガー・アラン・ポーからだということも今はメジャーではないのでしょうか。芥川とか漱石に比べたら、全然エンタメジャンルの人なのに。講談調の語り口がなじみにくいかもしれませんが、もう小学校の図書館で少年探偵団を読む子どもはいないのでしょうか。江戸川乱歩と言えば、とりあえず怪人二十面相くらいは知ってる、というのは年寄りの証なんでしょうか。天知茂明智小五郎も知らない人は知らないしねえ。(私は天知小五郎は濃すぎて苦手だけど)
 そんな、乱歩初心者にいきなり「パノラマ島」はどうか。
 でも、松尾貴史のプレゼンがよかったのか、今までで一番「読んでみたい」票が多かったです。45/50人だっけか。

 「ガリバー旅行記」はお子様向リライト版しか読んでません。これ、原作はかなりシニカルだと聞いてます。あと、シモーなネタが多いと聞いて「じゃあ、いいや」感がわきまして。実物を読んだ感想じゃなくて伝聞だからお好きな方には申し訳ないが。18〜19世紀のヨーロッパの風刺系小説ってシモ寄りって印象があるんです。なんでだろう。
 ともかく。奥泉さん、かなりがんばってプレゼンしましたが、会場投票では39/50人とパノラマ島に負けてしまいました。が、ポップの出来がよかったので、本屋さんの平積み希望は多かった。
 実際、店頭での売れ行きも、二冊とも今までで一番よかったような。

 この番組見始めて「偏見と高慢」が哲学っぽい内容の本じゃなく、むしろハーレクインテイストの恋愛小説の走り(そうじゃねえ!という意見もあるでしょうが)だってことを知ったし、「ねじの回転」が幽霊話だというのも知りました。昔の小説で高名ってだけで、なにやら小難しい本だろうって勝手に思いこんでたりするんですよね。
 家ではもう、反発し合っていた男女がしだいに相手の好ましい点を知って恋に落ちる展開になると「おお、『高慢と偏見』だね」と言い合うようになりました。<それもどうか。
 番組的には「知った!→読みたい!」になってほしいんでしょうけども。