せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「バットマン ビギンズ」、見ました

 ジョージ・クルーニー主演版ですでに脱落しかかっていた私としては、かなり「どーしよーかなー?」感があった「バットマン ビギンズ」、相方につきあって見てしまいました。もはやティム・バートン版みたいな味はティム・バートンにしか出せないんだし、他の人が監督やる以上自分の色で行くしかないわけで。とはいえ、バル・キルマー主演作は格闘ヒーローものとしてはともかくお金持ち感が今ひとつ。(てーか、クリス・オドネルのロビンがオレ的にはどーもなー)ジョージ・クルーニーは個人的に合わない人だから四作目はその時点でアウトでした。
 元がアメコミだから「そういうもの」かもしれないけど、画面から既におもちゃっぽくてかちゃかちゃした感じがしたのも三〜四作目がイマイチだなと思った理由。(あくまで私は、です)

 以下、ちょっともネタバレいやんな人は退避。
 今回のビギンズは気分一新の仕切り直しになってていいんじゃないかと。ゴシックでコミックで様式美な世界観はバートン版で堪能したから、すっかり現代都市と化したゴッサムシティもまあよしです。マントを翻すバットスーツ姿が絵的に決まるシーンが少ないのも、バートン版で十分やったから今回はいいの、ってことかも。クリスチャン・ベールバットマンは、個人的には一番ノーブルでお金持ちの家の息子らしいと思いました。(異様なほど鍛えた筋肉質なのに、スーツもバランスよく着こなしてるし)ウェイン家って六代は続いてる名家らしいから、成金っぽいんじゃ駄目です。バットマンの耳パーツ一個を試作するのに、カムフラージュ一万個を平気でオーダー出せるお家なんですから。
 その後のレギュラーになる人たちがオチでそのシフトの鳥羽口に就いてるのもファン的お楽しみ。相方はゴードン役がゲイリー・オールドマンなんで、そんなことは絶対にないのに途中で裏切るのではないかと冷や冷やしたそうだ。私はルドガー・ハウアーが横に広くなってて、出てるのに気づきませんでした…。
 新トム・クルーズのヨメはヒロインとしての華はないけど、近所の庶民の幼なじみなんだからリアル指向の本作には合ってる気がします。お気に召さない向きがあるとしても、MJみたいにシリーズ通したヒロインってわけじゃないから今回限りと言うことで一つ。ってゆーか、ばりばりのセレブなのにそういう子と親しくおつき合いさせていたウェイン家のとーちゃんかーちゃんは偉い人ですね。
 アメコミヒーローにリアリティを求めるかどうか?みたいなとこで、見る側の満足感は変わると思います。思いっきりおとぎ話を楽しみたい人には、今作はNG。あと、トリッキーでド派手な悪党に期待する向きもNG。敵がちょー地味。堅実な出方です。今後新作を作るとして、この路線で行くのかどうか気になるところ。
 後、クライマックスでモノレール大暴走の下りが、今の日本だと某大事故を連想させるとこがあるかもしれんと気になりました。こちらの制作の方が早いから、いろいろ言うのもヤボですが。

 それにしても、こういうお金とCGには糸目をつけないタイプの映画には全く驚きを感じなくなってしまいました。予告編でど派手なアクションや驚異の特撮というかCG映像を見せられても、全然「見に行こう!」って気にならない。画面的にはチープな作りと分かり切ってる邦画に気軽に足を運ぶようになったのは、そういうわけかもしれません。