せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

地味花火

 以前派遣先で一緒だった人がその後web制作の仕事をしていて、今花火屋さんのサイトを作ってるから素材用の花火の写真を撮るのを手伝ってくれとの連絡。花火は好きだけど大会系は人混みがいやで行きたくない。個人の手持ち花火のたぐいは、最近どこも火の気の取り締まりが厳しくてやれない。
 ので、無責任に花火を楽しむべく夕暮れ時になっててれてれと某浜辺に出かけていきました。もわーっと夏日の海の日だったから、日暮れが近づいても浜辺にはそこそこに人がいる。そして予想したとおり、「打ち上げ花火禁止」の立て看が。彼女から場所を指定されたとき、頭の片隅にいやーなものが走ったんだよなあ。
 しかし、紙袋いっぱいの花火を抱えてやって来た彼女ことKさんは、ヘコむことなく「やりましょう」。「ええっ、警備の人や近所の人に見つかったら怒られるよ」「今日は幸い打ち上げはないんで。手持ちと吹き出しなら大丈夫でしょ」。そ。それは詭弁だと思います。
 彼女の方も仕事で使う写真なだけに待ったなしのようで、しかたないからいつでも逃げられるように準備してリスク承知で花火開始。私が線香花火・持ち手が藁すぼのやつが好きと言ったもんで、すでに撮影済みですがと言いつつKさんは藁タイプ・よりタイプ等各種線香花火を持ってきてくれました。残念ながら海の側は線香花火をやるには向かないほどの風の強さでしたが、強引に点火。藁すぼも中国製と日本製では、すまんが花の開きや持ちが違う。中国製のは、なんというか、花火として機能してればいいでしょ?っぽい感じ。日本製の線香花火は、もう作れるところがそれほど残ってないそうで(サイトを作るのにKさんは線香花火を手よりしているおばあさんのところのに取材に行ったとのこと)、よくよく見ると製造元というかより手お一人お一人の作る花火にクセがある。というのを、Kさんの解説を聞きつつやって始めて気づいた。こうなるともうアートっぽい品になるのだけど、なにせ一本二円という低価格の労働、一時間やっても最高二百本しかよれないそうだから、これだけじゃ食えない。だから後継者もいないという状態らしい。
 もったいない。が、私も時給最高400円じゃ食えん。
 この状況をなんとかすべく、最近は火薬や軸などにこだわった(その分、持ちがよく花の開きやバリエが豊かになる)高級手製花火が作られているそうだけど、12本で千円越えの線香花火なんかそうそう買う人もなくあまり効果は出ていないのだとか。
 もし庭先などで優雅にちょこっと花火などされるときは、こだわって国産のおばあちゃんの手より花火を買い求められてはどうでしょう。ほんとに中国製の量産花火とは違いますから。…はかない線香花火ですけど。
 他にも、火薬の代わりに炭を使ったものや煙を極力抑えたもの、二十色変色花火など、いろんな花火をKさんの解説付きで楽しんで参りました。
 でも、9時近くなったころから浜を警備員の人が巡回し始めたので、逃げ帰ってきました(爆)。
 文句なしの真夏日だったけど、夜の浜辺はかなり涼しかったです。

 exciteに高級手作り花火の記事があったので、ちょとリンク。