せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

ばつが悪いから

 天気が安定しないんで、仕事が引けた夜に空模様と相談しいしいアインの散歩に出ることも多い今日この頃。足下が悪かったりまた雨がぱらついてきたりでアイン的に満足のいく散歩になってないことが多いのはわかるけんども。
 道行く人を未練たらしく凝視するのはやめろ!ぐぐーっと振り返りまですんな!そんなに「かわいい」とかってチヤホヤされたいのか、おまいわぁあー。(人間の解釈間違いかもしんないですけどね、散歩ルートが終わりになるほど凝視度が上がるのを見ていると、かまってくれビームを出しているとしか思えない)
 そんなアインをなだめすかしつ帰る散歩道、ちょうど家の前まで来たときに突然事件が起きました。年配の男女二人連れをカジュアルな格好の若い娘さんが乗る自転車が背後から追い越した。とたん。
 「こら、一言くらい謝らんか!」怒り出すおっちゃん。ぎょっとして止まる自転車。「そこ、段になってるからうまくよけられなくて」「言い訳より先に謝らな、そうやろ普通」「謝りました、すみませんって」「言っとらん!口開いたらすぐ言い訳やったろうが!」
 ひー、けけけ、けんかぁ?こういうのの近くで見物よろしく立ち止まってるなんてばつが悪すぎる。早く家に帰らなくっちゃ!
 と、私は冷や汗が出そうなくらい焦ってるってのに、アインはびーんと足を突っ張って身動きしようとしない。どころか、怒るおっちゃんをじーっと見てる。っぽい…。
 勘弁してー。私をここから立ち去らせてー(大泣)。
 12キロの身体とはいえ、踏ん張られたらそうそう簡単には動かせない。この緊迫した状況で「アイン、アイン」とよばわるのも気が引ける。私がひびって小さくなれるものなってしまいたい!と半泣きになっていたところ、「言うとらんやろが」と釈然としないっぽいながらも、連れの女性のたしなめ顔に免じてなのか、おっちゃんは自転車の娘さんを解放した。
 うわっちゃー、騒動が収まると、全くの傍観者はますます居心地悪い…。
 これはアインを引きずってもその場を離れねば!と私が決意したとき、「ごめんなー、わんちゃん。驚かせて」とおっちゃんはアインにもんのすごい優しい声で言ったのだ。
 …私はちょっといいものを見たのでしょうか。アインはいったいどんな顔で、おっちゃんを見上げていたのでしょうか。<暗いし後ろ姿でわからなかった。