せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「日本沈没」、見ました

Amazon.co.jp: 日本沈没 上 小学館文庫 こ 11-1: 本: 小松 左京
 うっふん、藤岡弘主演版じゃありませんわ。樋口監督の本編第二弾でもある新版「日本沈没」プレミアム試写会のチケットを手に入れましたの。子どものころから小松イストだったわたくしですから、そりゃー早く見たいって思っても当然ではありませぬか。ダメもとで申し込んだ試写会の当選ハガキを手に小躍りしても許されよう。
 六時半開演に間に合わなくちゃと大枚はたいてタクシーに乗ったら、なんか異様にのんきな運転手さんで。なんで電気ホールに行くのにその道っ?リミットがあることを告げたら少し気合い入れてはくれたけど時すでに遅し。天神の渋滞に突っ込んでくれちゃって(怒)、私は時計をにらみつけてどーすんだ、どーすんだ、とどきどきしっぱなしでした。実情はどうあれ、都市部のタクシーの運転手には道路事情のプロを求めているのでして、車乗らない人にすら「この時間帯にこの道は通らんやろ!」みたいなことをされちゃ困ります。さいわい5分ちょい前にはなんとか会場に着いたものの、間に合わなかったらまぢ切れしていたかも…。

 普通の試写会のつもりでいたら、なんと全国五ケ所?一斉だそうで、メイン会場の東京武道館の中継映像が入ったりします。メインキャストのあいさつやらテーマ曲の生歌披露やら、ある意味おいしいのかもしれないけど。どんどん上映開始が後になって、本編が2時間15分って私いつごろ帰れるの?ハガキで入場できるのは一枚で一人のはずなのに、私の隣はどうも夫婦の年配男女。草なぎっちが舞台挨拶で「あのー」「あのー」を連発するたびに「あのーが多すぎる」とつぶやくおばさんも「あのーが多すぎる」が多すぎます。「ぷっすま」を見るかぎり、草なぎっちはああいう人なんです。そっとしておいてください。
 うわあ、会場(東京の)に小松先生が来てはる。…年とらはったなあ。健康の方、だいじょうぶなんやろか。
 とやきもきしている間に本編スタート。
 ネタバレしてもよかですか?

 ぶっちゃけ、これは小松左京の「日本沈没」ではない。日本民族の脱出プロジェクトは描かれないし、日本民族の固有性、メンタリティは四季に彩られた豊かな風土にこそ由来するのではないか?という小松の訴えもない。田所博士は日本に恋をする男でもない。だからSFファンが納得する「日本沈没」かどうかはわからない。
 でも、まあ、今現在エンタメ映画として劇場で封切る作品としては、こういう脚色はありなんじゃないかと。男どものこゆい現場ドラマみたいな切り口よりは幅広いお客さんに受け入れやすい仕上がりになってるんじゃないかと。
 個人的には「許す、この脚色は許容範囲とする」と思いました。<えらそう。
 どのみち、発表から30年以上が経った今、あの原作をそのままやるわけにはいかんのは小松イストにだってわかっておりまする。「何もせんほうがええ」を残してくれただけでも十分でござりまする。
 樋口監督作としては、「ローレライ」より数段まっとーな映画になっているではないかと(笑)。オチの変更に関しても、原作とは別の説得力はあると思うし。ケルマディックは出ませんが、わだつみ2000としてあのわだつみがさりげに登場、あと、いろんな方がカメオ出演しているので、画面の端っこまで要注意。濃い方々にはそれなりにあちこちに見どころはあるので、気乗りのしない方は映画の日などにご覧になってはいかがでしょうか。
 一言で言うと「ディープ・インパクト」大地真央モーガン・フリーマンね。