せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

休めばいいのに…

 最近しみじみと「今日の『天声人語』、どうなのよ」と思う日が増えているのですが、今朝のはまた一段と「どうなのよ…」感が漂う出来でした。
 と言っても朝日取ってない人にはさっぱりでしょうから、丸のまま引用いたします。


 人口あたりのイヌの数が最も多い都道府県はどこか。イヌの登録頭数のデータは、狂犬病の予防注射を所管する厚生労働省にある。群馬県庁でイヌの登録を担当する職員が計算してみたところ、群馬が一位だった。人口100人あたり7.3頭が登録されていた。三重、山梨、香川、岐阜と続く。最も少ない東京は3.1頭だった▼本誌群馬版が理由を分析した。海のない県が上位に多く、山間部に出没するサルやクマから農作物を守るためにイヌを飼った名残ではという推論だ。しかし栃木は21位、埼玉31位、奈良41位。いささか説得力に欠ける▼「奇説」として歴史的背景にも触れた。「生類憐みの令」の徳川綱吉は将軍になる前、今の群馬県の館林城主だった。昔からイヌをかわいがる風土があったという説だ▼綱吉ゆかりの神社仏閣を見がてら、館林まで行ってみた。イヌの姿はちらほら。それほど多い感じではない。駅前のペット美容院も、「うーん、そうなんですか」という答えだった▼東京に次いで少ないのは大阪、山形、福井、石川だ。都会は住環境の問題があるし、そもそも人が多い。日本海側が並ぶのは不思議だ。山形県の担当者は「優しい県民性ですが」と首をひねる。雪国は少ないのかとも思うが、雪が降れば、庭駆け回るものだろう▼秋田犬や土佐犬などを擁する「ブランド県」が上位のわけでもない。登録がきちんと行われている県が上位なのではと説く人もいたが、否定する声もあった。結局よくわからず、頭に浮かんだのは「犬民性」ということばだけだった。

 …すいません。これ書いた人はいったい何が言いたくてこの枠をかいたんでしょう。群馬支局に行って古なじみと会って「今度、群馬ネタで一本書くよ」と約束してしまったけど、特にこれというネタが見つからずでも期限が来てしまったからむりやりマス目を埋めました、みたいな雰囲気を感じます。
 最近の話の持って行き方から、イヌとクマの関係に流して今年の熊被害ネタにこじつけるのか? と思ったらそうは行かず、自分の散策で拾ったネタをちょっと混ぜてみたけど着地点を見出せず、みたいな座りの悪い展開。
 全体にしまりがないのの他にも読んでて困惑したのが、1.サルやクマの被害から栃木・埼玉・奈良を思い浮かべるものなんだ、へー。2.「都会は住環境の問題があるし、そもそも人が多い」。人が多いから動物の入る隙はなかろう、と言いたいのかしら。でも、「そもそも」はいるのか?3.山形の人は優しいからといってイヌを飼わなければならないってことはないだろう。
 そしてダメ出しがオチの「犬民性」…。他に丸め方あるだろうに…。
 とか、詰めの甘さが行間どころか文字の間からダダ漏れているように感じるのは私だけでしょうか。
 かつて朝日の天声人語といえば大学入試の題材に取られることで有名でしたが今は昔、という気がします。↑みたいな文章で出題されたら、受験生も脱力するような。
 そんなにネタを思いつかないなら、無理せず休めばいいのに。