せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

パールバックか、まあまあだな

 ↑うろおぼえだけど、朝小耳に挟んですごいインパクトがあったセリフ。
 「芋たこなんきん」が町子さんの回想の昭和史編に入ってるんだけど、昭和19年くらいなのかな? 町子さんが友だちの家の工場に遊びに行ったとき出会った学徒動員か何かで工場で働いていた少年が、落とした学生カバンから飛び出た「大地」を見て町子さんに言うセリフ。
 ヒロインが読んでる小説の表紙見て「まあまあだな」なんて評するキャラなんか、今どき風のドラマじゃもう見まへんがな! てゆーか、最近のドラマのメインキャラ男ってあんまり本読んでそうな人を見ない。知的とかまじめとかって流行らないからなあ…。(だから、知的キャラ系の「のだめ」の千秋がやたらと新鮮に見える)
 この男の子が線の細い文学青年って感じじゃなくて、どっちかというと健康わんぱく風なのもセリフのインパクトを増した一因。いかにも、な見かけじゃない子がなにげなく小説読み込んでてちょっと生意気な口を利く、という落差が個人的に萌え。<それかよ!
 で、ふと思い出したけど、昔の少女小説とかに出てくる「不良」ってよく小説読んでたような記憶がある。昔って、吉屋信子とかって時代まで遡るのだけど。(学校の図書館は物持ちがいいので、そういう古い本が結構あった)グレる方向が知的だったというか。同年代よりも大人が望まない方向の知識と意識をたくさん持ってるやつを昔は不良と呼んでたような気がする。だから、女の子たちが怖がったり遠巻きにしたりしながら内心あこがれたりしてたわけで。今のいわゆるべったべたの、あんまし知的とは言いがたい「不良」のみなさんとは定義が違うんじゃないかと。
 後年の初期少女マンガに出てくる「不良」はこの系譜に属してる。
 そんな昔々の記憶がセリフ一つでぼーんと喚起されてしまいました。
 というか、昔々は私も少女小説なんぞ読んだのねえ。その後の殺伐とした読書歴からは自分でも想像もつかん過去だわー。