せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

金田一さんの恋

 12月になってばだばたしているので新聞が全然読めておらず、全体に積ん読状態だったのを今週になってなんとなく消化中。なので、話題がちょっと古めです。
 朝日の土曜版「愛の旅人」で、「獄門島」での金田一耕助と鬼頭早苗の淡い恋を取り上げておりました。というか、わたくし、金田一ものは映像化が流行ったときにざざっと読んだっきりなんで、話の詳細はこれっぽっちも憶えていないというていたらく。(おかげで稲垣吾郎での再々・・ドラマ化はいつも新鮮に見られるさ!)なので、「獄門島」にそういうくだりがありました、と言われたら素直に「へー」と思うだけなんですが。
 この記事を読んで「ふーん」と思ったのは、名探偵は恋をすると人気が下がるのでは? という仮説(?)が述べられていたから。明智小五郎金田一に人気での点で及ばないのは、明智先生が結婚しちゃったせいじゃないのか? とあるんです。
 そ、そうなんですかっ? てーか、明智って金田一より人気ないの?<実感がない。
 実際、横溝先生が「女性のファンから金田一が早苗さんによろめきかけたときはぞっとしました、というファンレターをもらった」とおっしゃってるから、そういう側面もあるんでしょうねえ…。そう言えば、昔々サイボーグ009でも島村ジョーがフランソワーズとはっきり恋人同士になったら許さない! というファンの訴えがあるから、そういう描写はできないと石ノ森御大がおっしゃっていました。昔の女性ファンってそういう傾向だったんでしょうか? 今はあまりそういう愛情表現をする人の話は聞かないなあ。これは同人誌というか、新たな妄想のはけ口をファン達が得たせいかしらん。代わりに男性作家からは理解不能であろう801という愛情表現まで出てきちゃって、クリエイターとしてどっちの状態がいいのか、よくわかりません。
 横溝先生が納得ずくで金田一さんのその後の人生(おそらく生涯独身)を決められたのならいいけど、「ほんとは書いてみたかったんだよね」と思ってらしたとしたら、なんかもったいない話。エンタメは読者あっての商売ではあるけど、作者が意図した本来の形というものがそれで書けないままに終るというのもなんだかなあ…という気がするのです。