「男のハーレクインロマンス」
とは、いわゆるハードボイルド小説のことだそうです。
へー。
ハードボイルドの扱いも様変わりしたんですねえ。昔は女子どもにゃあわからん世界とかうそぶく人もいたくらいなのに。男の美学、男のロマン、なんて惹句が似合うとすれば、まあ、確かにこれもロマンス小説ってことになるんでしょうか。ハッピーエンドでめでたくってらぶらぶって展開じゃあないんですが。
となると、今となっては北方謙三せんせーとか大沢在昌せんせーとかはハーレクインな売れっ子作家と同じポジションになっちゃうんでしょうか。ボギーの「カサブランカ」もカテゴリ的には一緒になるの? そっちの方がお好きな方には申し訳ないが、それって何かちょっと…って気分です。ある意味やせ我慢をもって美徳とするようなハードボイルドのキャラクタは、今どきの20代あたりには受けなさそうですが、本音ばっかりってのも味気ない世の中です。(据膳喰わぬは男の意地ってタイプの男はもはや化石ですか)
という話は、かの村上春樹せんせーがチャンドラーの「長いお別れ」の翻訳を手がけたという文化面の記事で読みました。そういう風潮を考慮したのか、村上せんせーはあとがき? でこの作品をハードボイルドとは書かなかったそうで。そのことがハードボイルドファンを寂しくさせたようで。
このままハーレクインは、じゃなくて、ハードボイルドは古い小説ジャンルとして廃れていっちゃうんでしょうか。