せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

ちりまつりPart.3

009-1 ゼロゼロナインワン vol.4

 だいぶ間が空きましたが、ちびちびと「009-1」を五巻まで消化しました。
 特に「おもしろいっ」てわけでも、「クオリティが高いっ」てわけでもないモノをなぜか見続けている私。これも一種の業というものでしょうか。
 深夜アニメで女スパイが主人公。これだけ聞いて一番最初に思い浮かぶのは、「それってエロいやろ?」という想像ではないでしょうか。そう思う私がケガれているのでしょうか。
 だって、人間の三大欲ですもの。原作だってアダルト向きマンガの黎明期ということで、そっち方面に力いれてみたりしたわけだし。(今の水準からすれば全然おとなしいけど)
 しかし。実際に見る「009-1」は全然えろくない。全然は言い過ぎか。そこそこのシーンはなくもない。だけど、あんまりえろをウリにしてる感じがない。主役の声に釈由美子をキャストした以上、あからさまに刺激的なえろはやれぬということになったのか。もったいない。(<何が)
 ともかく、「009-1」は予想外にえろくない。となると、アニメで深夜でこの題材をやる意味はどこにあるのだ? って、これも言い過ぎか。
 となると、スパイという存在の悲哀、みたいな話にならざるを得ないのか。と三巻以降を見て思う私。四巻の「港」とか「昨日の暦」みたいな話は明らかにそういう傾向の話。「港」の後味の悪さというか、子どもに指摘される大人のご都合はキツいものがあるけど、それをやってるオトナにはオトナの事情があったりするのよ。と、子どもに主張するのもなんだしなー。
 引っ掛かりのある話を出せるというのは、一つの物語としてなかなかかな? とも思うけど、せっかく「スパイ」なので、もう少し爽快感のあるアクション物の側面も持たせてほしかったなあ。「黄金の女」なんかは他の00ナンバーも出てるから、その方面を強調した作りにできそうなのに、淡々とし過ぎてて惜しい。全体に女性ライター多めの起用だから、情緒的な印象強めの仕上がりになってるのかなあ。
 ラスト一巻は三部作で、一応物語としてまとまった終り方をしてるというので、どう着地したか、ちと楽しみに確認する予定。
 しかし、客観的に見ると、このシリーズ、どの客層に向かって商売してるのかよくわからん。今さらコアな石森ファンだけを対象にするなんてマーケット狭すぎだし、えろ面が薄いからそういう引きは期待できないし、萌え系のキャラはいないし、活劇ですかっと爽快というニーズに訴えてもいないし。ものすごく今どきの流れから外れきってる気が。