せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

見たことないくせになつかしい風景

 巡り巡ってご縁があり、当地のボリショイサーカス公演を見に行きました。
 実は十年以上前にも一度、友だちが職場でチケットもらったからというので一緒に見に行ったことがあります>ボリショイサーカス。そして、あまりに物寂しい雰囲気だったので、正直気持ちがっかりして帰ってきました。なんというか、「極東まで出稼ぎに来てしまいました、さみしい僕ら」という空気がほにゃーんと漂い出てきてる感じがしたのです。芸をする熊たちが物悲しさを大きく増幅していました。思い出してみれば、あれは東西の壁が壊れ冷戦構造が崩壊した直後くらいだったか、ロシアが混迷の極みだったころのような気がします。生活環境の激変がサーカス団員のみなさんからにじみ出ていたのかもしれません。
 職場の同僚も行くと言ってたんですが「シルクドソレイユとか見たんで。あんまり期待してないというか、どっちかというとあまり乗り気でないんですが、友だちが行きたいと言うので」とのこと。まあ。それは。サーカスという括りは同じかもしれんけど、全然傾向違うから。

 というわけで、熊見られたらいいや、とか、犬のサーカスあるらしいし、とか動物シフトの期待で見に行ったボリショイサーカス。おフランス系のあちらに比べるとやはりお子さま向きな内容ではありましたが(会場親子連れだらけ)、しかし昔に比べると全然明るくて「サーカスの基本!」みたいな感じで楽しめました。少なくとも昔の物悲しさはなかったです。最近のロシアの経済がんがん上昇中の景気の良さが出てたんでしょうか。意外と猫のサーカスが健闘。猫飼いの方なら垂涎だったのでは。熊は後脚が短いのが愛らしく、深々とお辞儀をする姿がかわいかったです。でも、近寄ると口輪してあるし、はたかれたらたぶん大怪我します。
 後は、きっとオリンピックとかに出た体操選手とかが引退してやってるんじゃないの? ってくらい技がきれいなトランポリンとか段違い平行棒。狭いところで見た目派手な出し物をしてくれるので、思わず大人が身を乗り出してしまいます。サーカスだから、という以前のプロの技ですね。

 しろがねみたいなおねーさんがいたらよかったんですが(どういいんだ?)、そこまでは望めません。
 会場には縁日並みの出店がたくさん出てて、フレンチドックとか綿菓子とかなぞの光るおもちゃとかがんがん売ってます。昔はサーカスといえば祭りの縁日の間、広場にテント張ってるのが定番という刷り込みがあるのだけど、あれは私の田舎がたまたまそうだっただけなんだろうか。
 かき氷屋で「シロップかけ放題」というポップが立ってて、放題したらすぐ溶けちゃうだろうよ、と思いましたが、したくなる気持ちはよくわかる。あと、放題すると溶けた後の水の色が黒っぽくておいしそうでなくなる気が。