せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「はやぶさ - 不死身の探査機と宇宙研の物語」、読了

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

 文体にちょっとくせがあって多少気持ちに走る描写あり、ばりばりの理工系解説が一ページ以上続いて振り落とされそうな部分ありで万人にお勧めできる本かというと人を選ぶとは思うけど。
 でも泣けた!! 最後にはやぶさとの通信が回復し、長い長い地球への帰還が始まったところ、そして近い将来に起こるであろう、起こってほしいウーメラ砂漠での場面が希望を込めて書かれたところで電車の中だというのに不覚にも涙が出てきて困った。
 私もきっと著者に謗られるであろう日本の宇宙開発の現場に疎い人間で、だから予算のない中成功しても軽んじられ、失敗すれば大きく糾弾される現場の方々にはただただ頭の下がる思いというか、すいません、ただ安っぽく感動しててすみませんと言うしかない。お金も時間もなく現場に報いる動きも少ない現状では、遠からず宇宙開発事業は世界の競争から脱落していくんだろう。(すでにそうなのか… orz)携わる人々の努力と熱意だけじゃどうにもならないこともある。
 結果だけ欲しがっちゃだめなの。結果には見合う投資が必要なの。某国とか某国とか某国に比べたら、日本の宇宙開発はもんのすごい小規模で細々とやってるんだから。打ち上げに失敗するたびに、金がもったいないとか当事者達は何やってんだとか安易に非難するマスコミのみなさんはこの本読んで反省してください。
 もちろん半端に無関心な私自身も反省。
 現場の工夫と努力だけに全てを託すような状態じゃだめだ…。科学に疎い政治家ばっかりなのもつらく悲しいとこではあるよな…。

 ほんとにほんとに、帰ってこい、はやぶさ! そして、日本の宇宙開発がはやぶさとそれを支えた現場の皆さんに見合う待遇を得られるようになりますように。