せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

未だにそうなのか

 私が現役だったころソフト屋稼業は休日出勤とサービス残業の嵐で(特に転職した先の会社はアレだった)、この体質はいつか変わるのか、いや変わらんだろう…と半ば以上あきらめの境地になり、自律神経系の病を数年患った後思い切って辞めたのだけど、やっぱり未だにそうなのか、と新聞の家庭面を読みながらため息をつきました。
 「新婚生活はなかった」という惹句のついたその特集は同じ会社に勤めるSEと結婚した女性の話をメインに、仕事に謀殺される配偶者を持った妻の煮詰まりぶりとか家庭経営の困難とかを書いた内容で、残業三昧・休出し放題・出張だらけの生活を強いられているダンナさんの就業状況がまずとほほ。かつて業界にいた身としては、誇張でも何でもなくまんま現実なんだろうと思います。結婚して即、片方が長期出張になった後輩夫婦もいたし。加えて、これだけ働いているダンナの年収が400万という現実も相変わらず。ダンナさんのやる気も萎えるでしょうし、奥さんの脱力も計り知れません。
 政府はまだホワイトカラーなんとかをやりたいらしく、「残業しても手当てが出なかったら、あほらしくて残業なんかしなくなるだろう」なんて言ってるけど、すでに手当ての出ない残業をしている人はこの世に山ほどいて、でもあほらしくて帰る人なんて一握りも出てないです。そんなもん導入されたら、サービス残業させ放題になるだけ。
 まあ、後日支払い訴訟など起こされずに折り紙付きでサービス残業させたい企業の後押しで導入検討してるんだから、そういう性格なのはあたり前なんでしょうが。
 こういう勤務状況では子どもを授かる暇もなく、授かったところで経済が伸び悩めば育てる自信もないとなるのも致し方ない。どころか、ろくに共同生活も営めない状況では結婚を続けるのに疑問が出てきても不思議もない。「なんで結婚してるの、私たち?」って。その悩みの持っていきどころがネットにある現状がいいのか悪いのか。
 しんどい労働環境なのはソフト屋に限った話じゃないでしょう。こういう話がめずらしくもなんともないなーと感じるうちは、少子化は止まらないだろうし、景気が本格的によくなってるなと思うこともないでしょう。長らく続いているという景気回復は、私の知らない、遠い世界で起きてる出来事のような。