アメリカの十代は負けない
相方が借りてきた「トランスフォーマー」をちら見してみました。
そもそも監督が大味作品が得意なマイケル・ベイだから(<ひどい偏見)、腰据えてみると話のなぞが深まりそうだったので。真剣にではなくほどほどの距離を置いた方がよかろうかと。
私が古い頭の人だからいかんのでしょうが、なんかトランスフォームの見せ方が細かく早くでわけわかんないですよ! あの元車の大きさからロボットスタイルになるにはいろいろ増量しないと部品足りないのでは? この形からこうはならないのでは? 感ではまさにゲッターロボ状態。<たとえが古すぎます。
日本のロボアニメで育ったものとしては「ロボの魅せ方はこーじゃなーいっ」という気持ちにさせられることが多々ありましたが、かの国ではこれでいいんでしょうね…。コンボイ隊長はどれなの? とか考えてしまいました。主人公の家に物語のキーになるものを探しに行くときに「静かに待っててくれ」と頼まれたにも関わらず大騒ぎを起こしてしまうシーンは、「これって低年齢向きの映画なのね」と思わされました…。君ら、子どもか! 歴戦の勇士じゃないのか! ロボが特別に主人公の少年と精神的に仲良くなるとこは「らしい」と思いましたけど。リアルロボット系の話でなければ、ロボは主人公にとって「道具」であってはいかんのです。(という私のこだわり)
主役はサムというサエない高校生なんだけど、謎のハック信号の解明のために軍に協力するはめになるマギーという女の子の視点が別にあって、彼女もそこそこ活躍するのにオチでは全然忘れ去られてる気がする…。出番があれだけあったんだから、エンドロールでやった後日談の中でちょっとくらい触れられてもいいと思うんだけど。チラ見しかしてなかった私の見落とし?
しかし、主役のサムくんは見栄え的にはごくフツーかちょっとサエないくらいで、中身もそんなにパっとしてるようには見えないんだけど、スタイルもよく美人のクラスメート? ミカエラに、車を買ってもらってからはけっこう積極的にアタックする。高嶺の花とかって臆する感じもあまりなく。この映画ってアメリカでは十代向きに作られてると思うんで、ご当地ではサムの行動は共感もって見られてるんでしょうね。すごいな。プロムで相手がいないことが真剣にヤバい国の人は肝の据わり方が違います。
で、やっばり最後になんでサムがメガトロンを倒せたのかよくわかんなかったですよ…。確かにコンボイ隊長はどうしてもキューブを守れそうになかったら自分の胸にキューブを押しつけろ、自分がそのエネルギーを引き受けて無力化するから(意訳)みたいなことを言ってたけど、それと同じことがメガトロンにも起きたと考えるべきなのかしら。だとしたら、キューブってその後どうしても活用したい! という欲求が無かったら、トランスフォーマーの皆さんにとってはめちゃくちゃ危険な代物じゃないですか。そのわりに、敵の皆さんは危機意識が低いですね。まあ、ひとん家の庭先で無邪気な騒ぎを起こしたりする人たちだから、ものの考え方はおおざっぱなのかもしれません。<つっこむな、そんなことに。
そしてもちろん、この事件によって深い絆ができたサムとミカエラはハッピーエンドです。ありがとう、恋のキューピッド、トランスフォーマー!
三部作だそうなんで、この後多少の波乱は予想されるがな。