ひっそりとお仲間
通勤電車の中で本を読んでいる人がいると、どうしても気になってしまう質です。礼儀にもとるとは思いながら、覗き見可な状態だったらつい手元をのぞき込んでしまう無作法をしでかしたことも多々。覗いたところで正体がわからん本の方が多いんですが、本好きとしては同行の士の読書傾向が知りたくなっちゃうものなのです。そして、たまに読みたいけどなかなか手が出ないってなしぶーい本を読んでる人を見つけると内心で「おおおお」と感嘆したり。
しかし、最近はケータイのぞき込んでる人ばっかりになっちゃって、この密かな楽しみもなかなか満足されなくなりました。世の流れってやつだからしかたがないと思いつつもさびしかったり。
そんなわけでこのところすっかりご無沙汰になったこの悪趣味を、久々に発動させてしまいました。だって、朝の満員電車で斜め前の人が持ってる文庫本の肩に「ハイドゥナン」の文字を見つけちまったんですよ(笑)。今何巻ですかー? どの辺まで沈みましたかー?<をい。
四冊組のハヤカワ文庫を読んでるなんて、この人はテッパンだ!
と、意味もなく心強く思っていたら、今週になって今度は「ラギッド・ガール」を読んでるじゃないですかっ。
こここ、この人、私より遥かに遥かにテッパンだわー。こういう人がまだいてくれるとは、ありがたやー。ありがたやー。<何が。
唯一残念なのは、たぶん世代が近いこと。もうがっちがちのSF読みは若い世代にはいないのかしら。物語とリクツをこねくることは、キャラいじりとはまた違う楽しみがありましてよー。