せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

今年も回し者として生きていきますよ(笑)

 なんと六年も続いている人気? 企画、ほぼ日の年末年始TVガイドを読んでいたら、今回はNHKの方が再放送ソムリエなんてのをやってました。そこで紹介されていた再放送番組「タイムスクープハンター お氷様はこうして運ばれた」を録画して見たんですが。
 内容は、未来から来た記者が歴史上の出来事を密着取材する、という形式で、加賀藩の飛脚が江戸将軍家へ氷を献上するその旅に同行するドラマです。際物のようでいて、ドラマ部は地味に良く作ってあって、NHKあいかわらずバカだなあ! と楽しく拝見しました。通常は十日ほどかかる江戸への旅程ですが、夏場に氷を運ぶだけにスピードを要求され、四日で着くようかなり過酷な短縮ルートを取り日が落ちてもできる限り走り続ける無謀旅。消耗が激しいので飛脚は前役と後役が宿場町で交代する手はずになっているものの、加賀から出るときの飛脚が藩選抜でプロ意識の高い者であるのに比べ、後役は町飛脚を雇うため出立日に飲んだり体調を壊していたりで当てにできないことも。と、30分番組なのになかなかはらはらさせる展開です。加賀を出たときは60kgあった氷も、四日の旅で600gに減ってしまう、その氷を飛脚たちは江戸の関所を通る前に泥をつけてちょっと汚す。毎年きれいな氷を献上すると、翌年も質を求められてたいへんになるからという飛脚たちなりの知恵の働かせどころなんだとか。
 NHKの歴史物ドキュメンタリーと言えば「そのとき歴史が動いた」ってことになるんだろうけど、特に有名な事件でも人でもないものを取り上げるのにこういう手法を使うのもおもしろいもんだなーと思いました。

 最近のNHKはバブル前後のころのフジテレビのように、サンプル的な単発番組をちょくちょく作ってます。年末にやったNHKタモリ倶楽部ブラタモリ」もなかなか楽しい番組でした。<もともとタモリ倶楽部が好き。あれは制作側も反応がよかったら定期放送したいと思ってるらしいけど、「タイムスクープハンター」も半期に一度程度でいいからシリーズ化してくれないかなー。
 NHK見るのは年寄りくらい、なんて笑う人もいるけど、ぶっちゃけスポーツ中継なんて民放のはうるさくて見る気になれないっすよ。フィギュアのグランプリファイナルとNHK杯と、どっちが見てて感じよかったかと言うと明らかにNHK杯だったし。(私は、だけど)民放もデジタルでやるときは(制作費がないせいか)、演出地味で見やすいのになあ。
 年末年始のBSでやってた再放送も見応えあるのが多くてよかったっす。「ハプスブルク帝国」は今までも何度も再放送してるけど、ヨーロッパ史を俯瞰できてすごく勉強になる。かつての大帝国も19世紀から20世紀の崩壊の時期になると皇帝と言えどきゅうきゅうする事態になってて、オーストリア帝国最後の皇帝など愛する嫁(エリーザベト)は自由な気質の人で宮廷になじめず旅から旅で身近にいてはくれず、息子は新時代にかぶれて父ちゃん嫌ってあげくの果ては自殺。弟は他民族にもちょっと自治権を与えては? なんて助言して困らせるし、ナポレオン三世に祭り上げられてメキシコ皇帝の座についたものの、現地で支持を得られず銃殺刑の憂き目に。家庭にいいことが全然ない。ご本人はサラエボ事件で風雲急を告げる中、「明日は仕事があるから朝の三時に起こしてね」と侍従に言いつけて、それきり起き上がることはありませんでした、というすごい人生で、支配下にあった国の人からすれば思うところはいろいろあるでしょうけど、まぢめに皇帝やっただけなのにこんなに報われることなくてなんだかなあと。最早世界征服なんて、維持するのたいへんでいいことないなあとつくづく思いました。
 とまあ楽しい番組が満載なので、今年も生活はますます厳しいですが、NHKの視聴料は払っていく所存。レンタルビデオを借りることを思えば安い出費じゃよ。はっはっは。<と勢いつけて言ってみる。

 ちなみに「ほぼ日のテレビガイド」によれば、一番組に1000通越えの反応があると再放送を検討するそうです。一人で1000通送っても意味ないだろうけど、10通程度の組織票なら頼めるかもしれないな(笑)。