せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

違うんじゃなーい?

 週も折り返した朝はもーろー度が上がるので、ぼーっと聞いたこのニュースも、私の聞き間違いかと思いました。
 福岡市が少子化対策として未婚女性の結婚をバックアップする施策をするそうです。予算が、えーと、一千万円くらい?はあ?
 元々福岡は支店経済の町と言われてまして、大手企業の九州全域カバーを目的とした支店が多数置かれています。そこの社員は、現地採用よりも圧倒的に東京本社からの転勤組が多いわけで。関東→九州の距離故か単身赴任者の比率が高く、結果市の人口に占める男性の割合が上がるというふうに聞いてます。それも、既婚の。博チョン族って言葉、けっこう有名ですよね?(博多でチョンガーから来てるらしい)単身赴任のお父さんたちの食事を安くおいしく賄えるお店が多いのでも福岡は知られています。
 だから、人口比がいびつなのはしょうがないんじゃないの?って思ってたんですが。今回の少子化対策は二十代後半の女性の未婚率が全国で三番目に多かったことを受けてのものだそうで、理想の男性に巡り会えない女性や結婚してからの仕事の両立に不安を抱く女性のバックアップなどを考えてるのだとか。…はあああ?
 行政が仲介することで「理想の男性」なるものに出会えるんだったら、わたくし、離婚してプロジェクトの被験者になってもいいですよ(笑)。全く、行政に携わるみなさんは何を夢見るオトメのような寝ぼけたことを考えてるんだか。仕事との両立にしたって、結局企業が既婚で子持ちの女性を雇い続ける気にならない限り、はした金の子育て支援政策をとったって意味ないです。やらないよりマシだけど。
 そもそも「理想の男性」なんて青い鳥がいると期待しちゃうから結婚できないわけで。「こいつ、いいかも」と思っても、次に輝く青い鳥に出会う可能性を捨てられないからなんとなく踏み切れず、時機を逸してスルーしちゃう。男だって無責任に「理想の男性」なんて妄想押しつけられるのは重荷でしょう。
 いろいろダメな私といろいろ足りないアナタが一緒に暮らすのが結婚です。長い間一緒にいれば、状況も変わるし容貌も変わる。山もあれば谷もあるけど、ぼちぼちいこか?と思える相手とするのが結婚じゃないんでしょうか。結婚はしたいけど理想との落としどころを見つけかねている人の手助けをするカウンセリングみたいなものならそれなりに役に立つかもしれません。

 それに、女にだけ結婚促したって、相手の男にその気がないんじゃまとまる話もまとまりません。特に九州はまだまだ価値観が古い男が若い世代にもいますからねえ。気持ちを伝え合うコミュニケーション術も自分のことは自分でする家事能力も身に付いてない男性と、おつき合いまではしても結婚を考える女性は希でしょう。それを補うもんのすごい経済力を持っていれば別ですが。結婚問題をなんとかするのに片方の性にだけ働きかけてもなんの解決にもならんのでは?
 もっともその辺を突き詰めていくと、自分のことは自分でできる人が、じゃあなぜわざわざ結婚するの?って根本的な問題が発生しちゃうんですが。

 なんとなく。学校がつまんないと感じるのと、結婚がつまんないと感じるのは似てる気がする。上の世代が理解や対処に苦しむことを含め。昔は学校に行かないとべんきょができなくて就職に困って食べるに窮する、とか、とにかく何かを知るのが楽しいとか、単純に友達と遊べるとか、学校は苦を上回る楽しさや利を持ってたわけで。今は学校の他に楽しいことがいっぱいあるし、友達は「仲良くしなきゃいけない」ものになってしまった。
 結婚も、昔はまずしないと経済的にも社会的にも「暮らせない」ものだったけど、今はしなくても暮らせるし。むしろ男性の親族とかついてきたり、血縁者だけでなく社会からまで「子どもは?」と聞かれるようになったりで、結婚のマイナスの方が目についてしまうもんな。