せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

平積めるか?

 NHKでやってる「週刊ブックレビュー」は「バッテリー」完結記念であさのあつこさんを特集してたりして、たまにチェックするとおもしろいけど地味。元々の本好き以外にはちょっと敷居が高いかなと思う。でも、NHKは本に関する番組を増やしたかったようで、むりくりな企画で普段本となじみの薄い層を取り込む番組を考案しました。それが「名作平積み大作戦」。毎回あるテーマを設け、それに興味のある一般視聴者50人をスタジオに呼び、作家・タレントその他のプレゼンターの皆さんがテーマと縁がありそうな古今東西の名作のあらすじ・読みどころなどを紹介。はたして50人中どれくらいが名作を読んでみる気になるでしょう?その結果を見て、実際の書店員の方がこれは!と思った名作を平積みしてみる。はたして名作はどのくらい売れるでしょう?
 というエンタメ仕立ての読書番組。NHKだからやっぱ地味ですが、対戦形式を導入した分「週刊ブックレビュー」よりは取っつきやすい。かも。
 初回は「電車男」を楽しく読んだ皆さんに、高橋源一郎武者小路実篤の「友情」を、松尾貴史スタンダールの「赤と黒」をお勧め!てーか、どっちも読んだことないぞ!>自分(爆)。

 「友情」は、あらすじはこっちを読んでいただくとして。同人誌に三角関係(?)のうちの二人が気持ちを確かめ合う往復書簡を載せるという手法が今のネットの掲示板的、と紹介。告白者こそが恋愛小説の主人公と考えると、物語の真の主人公は杉子である!と断言。なかなかうまいなー。でも、杉子、電車になぞらえるには美人だし。男二人に思われるわけだし。
 「赤と黒」のあらすじはwikipediaにて。前半は才能と美貌には恵まれたものの実戦経験がないジュリアン・ソレルの妄想の広がりぶりと恋愛局面でのいざというときの奥手っぷりを電車になぞらえ、野心のままに突き進む後半は「白い巨塔」の財前教授のようとこれもうまい訴求。
 二人が作ったそれぞれの本向きのポップもよく出来な感じ。
 どちらもお客様方は半数以上が「読んでみたい」と回答し、無事書店で平積みになりました。結果、一週間で数冊ずつ売れたそうで、今時としてはよく動いた方の模様。私もなんとなく読んでみたい気持ちになってました。

 けっこうおもしろいかも。来週はセレブにあこがれる皆様に「金色夜叉」と「華麗なるギャツビー」をお勧めするそうです。どうなることやら。