せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

もらい泣き

 犬の散歩ルートは飽きないようにいくつか用意すべきだという説もありますが、家の周辺の交通量を考えるとそれほどバラエティ豊かにというわけにはいかず、アインは毎日基本的には似たよーなルートに名刺を配って回ってます。ので、曜日や時間帯にばらつきがあるから毎回必ずとは言えないものの、おなじみさんの犬とその飼い主の方もできてくるわけで。ヘタレっちーのアインだから、なかなか相手と友好的な関係を築けないのが難ですが。やさしげな飼い主の方には興味津々というのがまたきまりが悪くて…。
 今日もたらたらいつものルートを流していたら、通りすがりの年配の女性が「アインちゃん、アインちゃんですか?」と聞いてこられた。私は覚えがあるようなないような方だったけど、たぶん相方の散歩担当の時によく会った方なのだろう。「はい、そうです」と答えると「まあ、久しぶり。ナナちゃんがいなくなってから、すっかり会わなくなって」とおっしゃる。アインは優しい人は憶えているから愛想全開でご挨拶する。うっかり「どうされました?」と聞いてしまい、すぐに後悔。「去年の12月に死にまして」と返事された直後はまだ笑っておられたけれど、アインをなでているうちに、「ああ、まだだめだわ。ごめんなさいね」とおっしゃって、軽く会釈をして帰って行かれました。
 後からあの子じゃないかな、と思い浮かぶシーズーがいました。毛色や歩き方から見て、年を取ってるふうだった。でも、毎日一緒に暮らしている犬の老いを感じ取っていても、別れることの覚悟まではやっぱりできないわけで。
 いつまでもお子さんみたいなえへ顔で私の様子をうかがってるアインを見ていると、なんだかさっきの方のもらい泣きをしてしまいそうになる。いかん、犬がいると涙もろくなる。