せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「仮面ライダー THE FIRST」、見ました。

Amazon.co.jp: 仮面ライダー THE FIRST: DVD: 特撮(映像),石ノ森章太郎,長石多可男,黄川田将也,高野八誠,小嶺麗奈,ウエンツ瑛士,小林涼子,井上敏樹
 相方が借りてきた「仮面ライダー THE FIRST」を洗濯物などしながら眺め見る。なぜ本格的に見ないかというと、公開時に「恋愛物の部分を主軸に…」みたいな話を聞いたもんで。本郷猛と一文字隼人が一人の女を巡って対立、なんて、そんな軟弱なストーリー、特に見たくもないわって気分で。
 ああ、今回の映画用にリファインされたライダースーツ、めっちゃかっこよかったのに。なんでもっとストイックな話じゃだめなの?原作に準拠って言うなら恋愛よりも不本意に改造人間にされた葛藤の方を重視すべきで(てゆーか、原作のどこに恋愛重視が?)、そこだけでも十分ドラマになるでしょうに。
 というような心のフィルターがあったからだと言われたらそうですが。ごめんな、私には予想通りとってもつまんない映画でした…。まず監督なのかシナリオなのか?と私の美意識がまるっきり合致しない。きっとかっこいいつもりで言っている一文字のセリフがことごとくすべって聞こえて「かっこいいとはこういうことか?」という気分。(アグル、演技力は相変わらずなのね…)服装も30年くらい履き違えたかっこよさにしか見えない。
 その点を差し引いても、なんかこー。お子さま向けなのか大人向きなのか、作る側がどっちとも割りきれていないように見える。話の作りはお子さまを意識してないっぽいのに(なんたって恋愛要素が主軸)、登場人物のセリフ回しやシーンの作り方が不自然なくらいわかりやすい。難病で自殺を試みたばかりの面倒な患者の病室で、本人が寝てるからって「誰も見舞いに来ないからきっとさびしいのよ」なんて看護婦がしゃべるのはどーなんでしょうか?もっとスマートな説明ってできないんでしょうか。
 本郷と一文字の恋愛話もなー。なんで恋愛的な要素を入れたんだか、その効果がわからない。このころ「冬ソナ」が流行ってたから、女性客狙い?でも、男サイドで勝手に取りあったり満足されたりお互いを賛えあったりされても、女性側は納得できんよ。加えて「?」なのはウエンツ瑛士と美代子さんのパートで。あれは必要だったんでしょうか…。ウエンツ晴彦くんの自暴自棄の理由がなんちゅーか子どもっぽくしか感じられず(子どもなのかもしれんが)、美代子さんとのいきさつもありがちの域を出ず。時間の限られた映画だから「よくある」展開を利用するのは説明を省くうえでも許されるやり方だとは思うけど、「よくある」以上の印象が何もないのはいかがなものかと。しかもこの二人のエピソードがクライマックスで生きてるかというと「?」。悲劇性もショッカーの非情さも感じ取れずに終了。あのガーベラが咲いてることで「えっ、あれから一年経ってるの?」と時系列の混乱を起こしている自分に気づく…。むしろストーリーが未整理なのが強調されちゃってる気がするんですが。本編が90分しかないんだから、本郷と一文字の関わりに話を絞り込んだほうがよかったんじゃないの?恋愛もなしで、それぞれの葛藤の違いとかで映画で十分取り上げるに足る話になったと思うんだが。
 ではせめて、あのかっちょえーライダースーツを格闘シーンで堪能!くらいは楽しみにしてたんですが…。格闘シーンがまたもっさりした感じで。ツリの人を真横から取るキックシーンはどーなんでしょーか?全体にスピード感やメリハリがなくて、悲しくなってしまいました。
 ああ、もったいねー。あのスーツだけ使い回して、もう一度仕切り直した映像作品を作ってはもらえまいか?いかにも続きが作れそうな終わり方をしてたけど、続きではなく頭から作り直しで!
 で、メインのストーリーラインは村枝賢一先生に作ってもらうように。島本和彦でも可。

 黄川田=本郷猛は、倉田旅館のぼんくら息子のまさみくんを思い出したらいやんだな、と心配していましたが、そこまでアレな感じはなく。ちょっと線が細いな、とは思ったけど。アグルは予想の範囲内なんで、アレでもこんなもんかなと。よしとは全然思ってませんが orz。