せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「時をかける少女」、見ました

 私の中で「二度と来ない永遠の夏の物語」というジャンルがある。アニメ版「時をかける少女」はまさにそれ。いつもと取り立ててかわり映えのないはずの17才の夏が、生涯忘れることのできない特別なものに変わる。でも、それはきっとタイムリープという特別な力のせいだけじゃない。
 なにしろ直球ど真ん中(笑)の「時かけ」世代なもんで、「時をかける少女」だけどストーリーはオリジナルなんですよと聞いたとき、「なんじゃ、そりゃ?」と思ったもんでした。それでなんで原作ものと言えるのよ?と。だから、細田監督作でなかったらたぶん見に行っていない。特集記事や公式サイトの類もチェックせず予備情報はないまま、「水曜に健康診断の再検査受けて、帰りに見に行ってみるか。レディスデーだし」というのらーっとした気分でシネコンへ。
 で、見てみたら驚くべきことに、後に残るテイストが「時かけ」だった。(「タイム・トラベラー」じゃなくて「時かけ」、ね)ストーリーもヒロインの性格づけも別物と言っていい(けど、ちゃんと原作のポイントは押さえてある)作りなのに。
 当日、北部九州は梅雨明け。映画館を出ると夕方になりかかってはいたものの、昨日までのぐずぐずした空模様なんかすっかり忘れた真っ青な空に入道雲ががんがん立ち上っている。
 あー、夏にこの映画を見てよかった。えー年こいたおばさんが、ほんのちょっとでもあのころを思い出せる季節に見てよかった。テレずにセイシュン気分にひたれる季節に見てよかった。
 これはそういう映画です。ふつーの女性に仕事の帰りにでもちょこっと立ち寄って見てほしい。なんの準備もいりませんから。笑って、はらはらして、…ちょっぴり泣いて。そして、明日はまた元気にそれぞれの場所に出かけていってください。