せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「スーパーマン」を見る

Amazon.co.jp: スーパーマン ディレクターズカット版: DVD: マリオ・プーゾ,リチャード・ドナー,クリストファー・リーブ,マーロン・ブランド,ジーン・ハックマン,ジョン・ウィリアムズ
 来週「スーパーマン リターンズ」を見るんで、予習のためにTVでやっていた「スーパーマン」にチャンネルを合わせる。リーブの声が佐々木功じゃないし。<え?
 実はクリストファー・リーブ版の「スーパーマン」を見るのは十年以上ぶり。話もすっかり忘れてしまってて、「え、こんな始まり方だったっけ?」とか「レックス・ルーサーってここまでアホだっけ?」とか、すごい新鮮な気分で見られました。なるほど、なんですっかりさっぱり忘れてしまってるんだろう?と不思議だったけど、この微妙なバランスのゆるい笑いが入ってるとこが私の好みではなかったのだなあ…。(レックス・ルーサーの部下の失敗なんか、昔のギャグまんがのおさらいみたいなんだもん)
 しかし、クリストファー・リーブの雄姿は一見に値するというか、一度これを見れば他のスーパーマン像など思い浮かばなくなるくらい美しい。かっこいいを通り越して美しいと言ってしまう。
 だって、スーパーマンのコスチュームって全身青タイツですよ?その上に赤マント、赤パンツ、赤いブーツですよ?そして胸にでかでかとSの字。こんな格好、今どきの感覚からすればギャグキャラにしか見えないはずなのに。
 クリストファー・リーブのがっちりとした体格、そしてその上にあの「善」とゴチックで書かれていそうな端正な顔が加わると、全身青タイツマンがとんでもなくかっこいい正義の味方に見えるんである。(宇津井健のスーパージャイアンツの例を引くまでもなく、このコスチュームをカッコよく着こなすのは簡単じゃないはず)大都会のビルの上をマントをひらめかせながら飛ぶリーブのスーパーマンを見れば、そりゃーたいていのアメリカの子どもは心奪われてしまうだろう。(日本の子どもは刷り込みがないからそこまでの引力は感じないと思われ)
 しかも今回、私は年をとってしまったので、レックス・ルーサーのアジトでクリプトナイトによって弱体化されたスーパーマンがプールに沈められるシーンで、「んまあ、リーブって意外とかわいい!」と萌えー。髪が濡れてスーパーマンヘアでなくなると、少年っぽさが加わってわたくし的には極めて好ましいです。ああ、あんなにすぐにかっちりヘアメイクしなくてもいいのにー。
 もっともスーツ姿のとっぽいクラーク・ケントもすでにかなり好みなんですが。スーツで黒メガネで不器用で善人丸出し。すばらしい。正直、もっとクラーク姿を増量していただきたいくらいです。
 役者クリストファー・リーブにとってスーパーマンは長らく重い枷となった役で必ずしもいいことばかりじゃなかったろうけど、でも、「スーパーマン」という映画が後年語られる作品になっているのはクリストファー・リーブが演じたからこそだと思う。

 ただ、久々に見て逆に「ええー?」と幻滅したのがロイス・レーン。なんかこー…。余裕がないというかキリキリし過ぎというか、あまり魅力的な女性に見えなくて、「他にもっとええ女がいるのではないか?クラークよ」とおせっかい焼きのおばちゃんみたいな気分に。キルスティン・ダンストのメリー・ジェーンがあれこれ言われてマーゴット・キダーロイス・レーンが不問というのは不平等な気もし。<ひどい。
 まー、ロイスに関することになるとストーカーすれすれのスーパーマンもいかがなものか?ではあります。あの二人の愛情表現がああなのは、原作が古いからなんでしょうか?それとも、ああいうテイストの作品ってことなんでしょうか。(アメコミは意識して読んだことがない)
 全体にいかにも「コミック!」な仕上がりなんで、スーパーマンに特に思い入れのない人にはおもしろくもなんともない映画かもしれない。公開当時は最高レベルと言われた特撮シーンを見る楽しみがあったけど、CG見慣れた今となってはその辺も見どころにはならないし。
 でも、わたくし的にはこれ以上のビジュアルはないとほれぼれしてしまうヒーローを見られる、その一点だけで評価してしまいます。そもそもこういう映画にこむずかしいことを言うのも野暮って気がするし。