せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「スーパーマン リターンズ」、見ました

 これは善なるアメリカの神話。
 「スーパーマン」ってそういう位置付けなのかなーと思いました。リアルよりもシリアスよりもシビアよりも、ちょっとおとぎ話風。まっすぐな善意とそれを体現する力、マジ過ぎない敵と脱力系のユーモア、そして人の温かさ。そんな話を今のアメリカがぬけぬけと作るなんてっ!という方には向かない映画です。シンプルなヒーロー物語を気持ち良く語ってくれればいいと言う方にはお勧め。
 ほら、「サザエさん」で公園デビューに悩むサザエさんや実はいじめを受けてるワカメちゃんなんて見たくはないでしょう、そんな感じだと思っていただければ。
 とはいえ、最近の「バットマン」や「スパイダーマン」のようなシリアスシビア系のアメコミ映画に慣れた向きが食い足りないと感じない程度には話に重みを持たせてもあります。滅びたはずの故郷の星をそうと知りながら訪ね、たった一人であることを噛みしめて地球に帰還したスーパーマン。育ての母は暖かく迎えてはくれたけれど、地球を離れた五年の月日のうちに心を通わせたはずの女性が家庭を持ったと知る。しかも新聞記者である彼女は「スーパーマンは不要である」という記事を書いて賞をもらったというのだ。しょーっく!
 しかし彼は、やはり人を助けずにはいられない。全ての人を救えはしないとわかっていても、超人の耳が助けを求める悲鳴を聞けばそれを無視することはできないのだ。異変を起こした仇敵が自分の弱点を知っているのを承知で、彼は現場に駆けつける。赤いマントをひらめかせて力強く空を飛んでいく。
 「あれは何だ?」「鳥だ!」「飛行機だ!」「いや、スーパーマンだ!」
 …ってのはなかったですけど。(↑のフレーズって何よ?という人が大半を占めそうなネット世界ですが。昔のモノクロアニメ版「スーパーマン」のキャッチがこうだったんですわ。<年がバレますな)スーパーマンの活躍ぶりはCG特撮使いまくりでかっこよく仕上がっていてマル。
 印象の強いリーブの後を担ったブランドン・ラウスは、リーブよりちょっと甘めの顔立ちながら誠実・まじめ系の雰囲気はよく継承してると思います。あの体格でクラシックなスーツと黒ぶちメガネというアンバランスなスタイルは相変わらず魅力的。ロイスのパートナーや息子と夕食食べてるシーンがらぶりーです。<見るとこ間違ってる。
 心配していたロイス・レーンも今回の映画の方が感情移入しやすいです。彼女のスーパーマンに対する屈折した態度も、いろんな事情を思えばしかたないかなあ…という気持ちになれるし。ビジュアルもかわいいの交じったきれいさで「この人にならクラークが惚れてもまー納得かー」って思えるし。<偉そうだな。
 てーか、ストーカーチックなスーパーマンも健在でしたよ!その超能力の使い方、どうよ!(笑)
 この二人ってプライベートというか、恋をささやくとき色気がなさげです。ロイスは彼を「スーパーマン」って呼ぶんでしょうか。ギャグだ…。かといって、クラーク?カル=エルと呼ぶのもなあ。やっぱスーパーマンとしか。

 ネタバレ。このデザインだと反転しようもないので、直撃いやな人はここから避けて。
 以前読んだwikiによれば、スーパーマンって地球人の女性との間に子どもは持てないとあったんだけどなあ…。しかもその理由が極めて納得できるものだったんで、あのシーンが来るまで素直に「まさかね…」と思ってました。
 だって、弾よりも早く走る男のアレがソレで地球人には危険って言われたら「そーだよなー」って納得しませんか?
 いえ、アメコミの設定なんてちょっとバージョン違ったらころっと変わるんですが。むしろそこ曲げないとこの話のオチの暖かさが多少削げてしまうんで、厳守していただかなくてよかったです。