せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

交じってねえ

幻魔大戦
 昨日に引き続き、「ガンオケ」やるつもりでTVつけたら衛星第二で「幻魔大戦」を放送中。でぇえー? イマドキ「幻魔大戦」? NHKはパチンコ業界かパチスロ業界かとタイアップですか?(TVで大友デザインのベガが出るCMを見たときはびっくりしました)
 当時は「おおっ、ほんとに大友さんの絵が動いてるぅうっ」というただそれだけで感動したものですが、その後「AKIRA」が作られ、「スチームボーイ」を見、TVCMで「FREEDAM」が見られる現在、むしろカットによっては露骨に東映アニメ絵になるのがわかるのが苦しい。大友さんの描くキャラって、背景の圧倒的な情報量や微妙な色使いの上に乗っているから映えるのであって、ふつーのアニメ背景の上にあると地味さばかりが際立つのもつらい。四畳半の押し入れの湿度さえ伝わってきそうな地味な画面です。
 その上、話がなあ…。当時ですら原形となった石森×平井のコミックが発表されてから15年近くが経過していて、すでに物語としては斬新とは言い難くなっていたくらいだから、今見るにはつらすぎる点が多々。「幻魔大戦」という作品の成り立ちを知らない若い世代がいきなり見たら、こ○ふ○の科学あたりの布教アニメと混同しそう。それとも、スピリチュアルやら細木なにがしやらがもてはやされる時代だから、むしろすらっと受け入れられるんだろうか。
 後は、二時間もののアニメとして完結させるために幻魔に勝っちゃう結末がどうよ? という感じ。(これは同時も思ったんだけど)全宇宙の破滅を意図する超意志体のもたらす終末にしては地球のおかれた状況は小粒だし、それに対抗する地球のサイオニクス戦士(このネーミングもなあ…)の強力さがよくわかんないので、これで勝てちゃったら今まで滅んできた多くの文明と生命体にすまないという気持ちです。
 いっそ、少年マガジン版と同じように「たぶん負けちゃうけど、みんなで打ち揃ってがんばる所存です」という絵で終ったほうが納得が行った気がする。幻魔って「ガラスの仮面」の紅天女みたいなものだから(みたいなものですか?)、むしろ話には出てこないほうがいいよーな。
 といった「んー」観は、なにしろ20年以上前の作品だから仕方がないと割りきれる部分ですが、一つだけ、これだけはなんとかならんかったのか…と思うのは音楽です。この作品、メインの音楽をキース・エマーソンが手がけたというのがウリだったんですが(ちゅーか、私は未だにキース・エマーソンの価値がわからない音楽音痴です)、さすがに全編の作曲を依頼するのは無理だったようで、補作を青木望が担当しています。この青木望さんというのが、私の中では代表作「銀河鉄道999」の人で、つまりは日本情緒的な作風と刷り込まれているのですね。繊細でウエットな雰囲気。この作風とシンセサイザーばりばりのキース・エマーソンの曲がなじむわけもなく、シーンを音楽でつながれると違和感が何ともしがたい。全然別の作品みたい。なぜ似た作風の人を連れてこなかったんだろう? 青木望には青木望のよさがあるのに、メイン:キース・エマーソンを打ち出したところに連れてこられると「違うよなー」感だけが強まってしまいます。

 「光の天使」はなんとなく好きでしたよ。サントラ買ったもん。だからパチンコのCMに過剰反応してしまいました。