せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

マンガ家ってしんどい…

 昔はマンガ家になりたいなんて言おうものなら親から罵倒されたり嘆かれたりしたものでしたが(なぜ真当な人生を歩もうとしないのか? とか)、今や進んで子どもをマンガ家やゲーム製作者にしようという親がいるというから驚きの時代になったもんです。TOPクラスのマンガ家・ゲーム製作者の収入は少々のサラリーマンなど優にしのぐことが知られたからでしょうか。そんなレベルの人はほんとに一握りなのに。それとも何の仕事にも就かないよりはいいということでしょうか。しかし、親が勧めてその気になって専門学校に通うなんて流れは、なんか違うような記がします。ああいうのは本人が心の底から「やりたい!」と思わなきゃ物にならないだろうし、そういう人は誰かに教えられる前に自分で調べるなり基礎がないなりに我流で書いたり作ったりし始めるだろうから、学校行ってやっと腰が上がるのじゃその先はむずかしいんじゃないかと。
 それに、マンガ家として評価されても、その後のプロ生活が半端なくたいへん。だよなあ…、というのを「プロフェッショナル」の浦沢直樹を見て、改めて思いしらされました。毎週締め切り抱えて、話はクライマックスに向かってまとめなくちゃならなくて、でもそれは読者の希望する方向とどうやらずれてるみたいで。ぐわー、きっつい、きっついよ…。こんな仕事、好きじゃなくちゃとても続けられないけど、プロである以上作品は商品でもなくちゃいけない。読者様の怒りを買って総スカンを喰ってもマズいけど、書きたいものを書くのでなければマンガ家をやってる意味がない。この辺煮詰まって、美内すずえはあっちへ行ってしまったんだろうか。
 この取材時では、やはり読者の望む方向ではなく自分の書きたい物に向かって舵取りすると決めたみたいだったけど、ネット時代になって自分の欲望に限りなく忠実になった読者からは厳しい評価が下るんだろうなあ。
 いやもー、万が一のチャンスがあったとしても、自分の脳みそを絞りきって見えない無数の読者を相手にして、プロとして締め切り守って質も維持しつつ年とともにへばってく身体でやっていくなんて過酷な仕事、とても私にはできません。才能なくってよかったなー、と負け惜しみでなく思います。平凡、ありがとう。
 あの人たちには凡人には想像もつかない達成感や充実感があるのだろうけど。