せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

分かち合えない

 根が男の子なので、最近ダムやビルや工場の写真集が売れてます! と言われても違和感は感じません。元が好きな方々のブログやサイトだそうで、そちらにうかがってみるとかっこいい! 萌えーと言われても納得な写真がめじろ押しです。メカメカしいもの、でかいもの、実用の美に磨かれたものはやはり見ごたえがあって美しい。ライトアップされた工場の写真などは「よく撮り続けるなー」とあきれながらも、どこか見入っていたりします。
 が。こういう感覚はふつーのお嬢さんにはないものなのでしょうか。たまたま昼ご飯どきに流行り物の話題になったとき、「今年はダムや工場の写真集がけっこう売れてるんだよね」と言ったら思いきり不思議な顔をされました。「ダムって山の中にある、あれですか」「水力発電とか治水とかで作ってるアレです」「その写真ってどこがいいんですかね?」「え…。だって、ほら。大きな建造物ってかっこよくない? 機能美ってものもあるし」「かっこいい、ですか」。話が弾みません。「工場の写真って何撮るんですかね?」「夜、照明がぽつんぽつんと入ってるとことか、機械なのに生物っぽい雰囲気があっていいよ」「はあ…」。理解不能です、という顔をされてしまいます…。
 なぜ? このなんちゅーか、工学的というか無機物のというか自然の中の人工建造物の質感というか、そういうもののかっこよさ美しさというものは、普遍的に「わかる」ものじゃないんでしょうか。子どものころ、社会科見学でダムに行ったとき、その巨大さたたえた水の莫大さに「おおおおおー」とわけもなく感嘆しませんでしたか。あの延長にある気持ちが、巨大建造物を見たときに起きてきませんか。
 …こないんですね。
 どう説明しても彼女たちの顔から「ぽかん」という文字が消えませんでした。好みとか興味とかは人それぞれ、わかちがたいものがあるのはわかってるんですが、ここまで「さっぱりでーす」という反応をされると「深い川があるのは男と女の間だけではないのでは」という気がしてきます。
 でもですね、彼女たちも「どうして男性って○○がわからないんでしょうかね」「あの人たちが××しないのが信じられません」なんて言ったりするんです。その辺お互い様なわけじゃーないですか。だから、なんでやねん? って顔、しないでね。お願いだから。