せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「QED 九段坂の春」読了

QED~flumen~九段坂の春 (講談社ノベルス タS- 20)

 QED番外編。レギュラーメンバーがまだ学生だったころに時間を巻き戻し、短編連作の登場人物に配してあります。(当然、みんなまだ知り合いではない。赤の他人だった10代のころの話)連作というだけに、各話は連鎖して最後はまるっと全体をつらぬくなぞが解決する、かどうかは読む側の解釈によるところもあるかと思うので、解決してます、と言い切るまい。<奥歯に物が挟まったような言い方ですな。私個人はびみょーなもやっと感が残ったということで。ちゅーか、各話つながってるようなつながってないような…。
 今回の話の衝撃は、何と言ってもタタルさんの初恋です。タ、タ、ル、さんがはつこいー? というくらい、シリーズ読者には違和感ばりばりのエピソードですが、中学生にしてこの理屈っぽさ、そして、ほのかにあこがれた相手がまた女性としてはがちがちに議論ふっかけ系というなるほどなーな配役です。こんな女性に初恋しているタタルは、そりゃ10代の間浮いた話に足突っ込む機会は限りなく低かっただろうと思われ。
 それに比べると、たぶん意図的にそういうネタを入れたんでしょうが、奈々ちゃんや熊つ碕さんの学生ライフとおつき合いに似たものは、ふつーの青春という感じ。どちらも結末はほろ苦いですが。(熊つ崎、ちょっとかわいそうや)

 ミステリ作品の感想なのに、なんで毎回登場人物のこひの行方についてのコメントばっかりになるんでしょうか。私にしてはかなーりめずらしい傾向なんですが、基本ミステリはネタバレ書くは厳禁なんであまり内容に突っ込んだことは書けないし、このシリーズのミステリよりも比重の高い(そうですよね?)歴史その他のウンチク部分については、わたくし言及できるほど知識ないしで、結局当たり障りのない、シリーズスタートから進展してるんだかどーだか? なタタルと奈々の成行き観察に軸足置くしかない感じで。
 常連登場人物も増えちゃって、QEDは今後どーなるんでしょうか。私の予想では、シリーズ完結までタタルと奈々の関係はこのままではないかと。<いや、そこに本筋はないって。