上司がうんと言う時代
例によってあかめ新聞の土曜版が入ってきたのですが、今週の赤版の「愛の旅人」はなんと。
ウルトラセブンのダンとアンヌ。
あの。えーと。「あいのたびびと」なんですが、いいんですか? ダンとアンヌで。もちろん、恋愛の現役になるには幼かったお子さまの私も、いちおー女の子だったので昔の子ども番組なりにほのめかされた二人の間柄には気づいていたし、ちょっとどきどきもしたものでしたが。こういう記事でばーんと取り上げられるにはこー。ほのかすぎる感じですわな。
とはいえ、ある世代の子どもたちのうっすらとした恋愛体験の一つになっているのは事実ではあろう。憧れ(?)のヒーローが最終回で「待って、ダン、行かないで」と瀕死の身体を引き止められ、しかし、それを振りきってヒーローは使命のために死地へと赴くのですから。おそらく二人は二度と会うことはないんでしょうから。そう思うとおませな娘心はきゅーんとしますわな。同じような体験をした人はきっと少なからずいて、この記事を書いた記者の人もたぶん同世代で(男の人みたいだけど)、だからこんな二人を取り上げたのだろうな、と思ったり。
しかし、記者の人が書きたいと思っても、上の人が「ウルトラセブンだぁ? 題材違いじゃないのか?」とはねつけたら終りなわけで、企画が通って記事になってるって事は上司もやっぱり体験共有世代なんですかねえ。
密かに思いを寄せている女性を振りきって、自分の決めたことに向かって旅立っていく、というのが男にとっての思春期の一つの契機だったのであろう、という記事の締めの後に、もっとも現代では制止する男を振りきって女が旅立つほうがしっくり感じるのかも知れず、とほほ、になってるのがちょっと物悲しかった。
わたくしも、そんな気がします。