せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「愛と誠」と言えば

 マンガ好きです、という同僚がいるのだが、いかんせん世代が違いすぎるせいか、「愛と誠」の話をしたら全く知りませんでした…。
 古いマンガだしねえ…。しかし、彼女と話をしていると「好き」と「ヲタ気質がある」は全然違うものなんだな、というのがよくわかります。派遣の乏しいこづかいを毎月ある程度マンガ代につぎ込んでるくらいよく読んでるんだけど、ルーツ探ろうとか作家掘るとか技法が気になるとか、そういうのが一切ない。いや、こんなのはいわゆるヲタ第一世代とかかろうじて第二世代の気質であって、今時のヲタはあっさり過去なんか振り向かないのかもしれないけど。
 でも、24年組、というか、萩尾望都をきれいさっぱり知らないのには正直驚いたのでした。昔のヲタは入れ込んでるジャンルの過去の代表作は、完読はしなくてもサワリは押さえとくとかしてしまいがちだったものなんだが。あの辺ももはや巨匠で過去の人かもしんないけど。

 「愛と誠」は当時からしてついていけないわー感があり、私もナナメにしか読んだことがないので、たいしたことは言えないのでした。だって、なんかへんなんだよな、恋愛ものとして読もうとすると。少女マンガという「恋愛なら任せといて」的フィールドに慣れた立場から読むと、「愛と誠」はどうしたらいいの感がわくのを止められないマンガなのでありました。
 そして、おいていかれ感の強い、少年マンガのヘンな恋愛ものというと、どうしても忘れられないのが「青春動物園ズウ」。「男組」とかが連載してたころの少年サンデーに載ってたと思います。あれ、たぶん「愛と誠」があたったから出てきた作品だったんだろうなあ。「愛と誠」はそれでも一世を風靡した作品としてちゃんと取り上げられる場面もなくはないけど、「青春動物園ズウ」はそのインパクトが忘れられない人がときどき話題に出すくらいでwikiにもまとめがありません。話はほとんど覚えてないんだけど(調べてみたが、めっちゃ破綻してたらしいのでまとめようがなかったのかも)、訳ありのケンカ強い主人公と妙にキラキラした(当時としては)少女マンガちっくな絵柄のヒロインが、様々な苦難を乗り越えて純愛をつらぬく、みたいな内容だったんじゃなかったかと。もっとも、当時の少年マンガだから、純愛を貫くゆうても主人公がやってるのはもっぱらケンカだったような気がするけど。(なんとか調べてみたところ、不良の集められた絶海の孤島にある学園に体操の才能あふれる主人公が親の仇の学園長? を求めて転校するんだけど、その娘がなんと幼なじみで、二人は許されぬ恋に落ちるのだが、みたいな展開がありつつ、不良どもと対決という構図だった模様。そして後半はヒロインが不治の病にかかり、二人で全国を旅するという前半なんだったの? 的な流れに)毎回「ヨッコおォオーッ」「ししにいちゃーんッッッ」と主人公二人が叫び合っていたのが忘れられません。(なぜししにいちゃんかというと、主人公の名前が立髪正義だったからだ)小池一夫のセリフはものすごく癖があって、そんなに気合い入れて読んでなくてもやたらと記憶に残って困ります。どうしてあんなに小さな「ッ」とか「!!!!!」が連打されるんだろう…。
 恋愛ものというと、なぜかしらケンカして戦い抜いてばかりで何かというと命がかかっていた少年マンガも、今やもじもじどきどきしたりハーレムだったり、等身大の青春の悩み背負ったりするようになりました。真っ当になったと言えばまったくもって真っ当なんだけど、後年なんとなく思い出されるのは半端にまとまりのいい作品よりも破綻して不可解だった作品だったりするから、記憶というのも困ったもんである。