せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

読んでない方なので、なんですが

 最早ロートルSF読みなので、ここ十年ほどで活躍されるようになった若手の作家の皆さんとはあまり縁がない。毎月「SFマガジン」を斜め読みしているのでお名前だけは拝見したりしてるのだが、著作を手に取れてるのはほんのわずか。
 なので、たまたま訃報を聞いた伊藤計劃さんの作品も読んでない。すみません。
 というか、ガンを患っておられたと聞いて、あのインタビューで入院しているとあったのはそういうことなのか、と思った。
 確か今年の始めだったか、新作「ハーモニー」を上梓されていて、出版記念のインタビューがSFマガジンに載っていたのを読んでいた。文中で長く闘病しているふうの発言や、執筆中に投薬のせいで何を書いているのかわからなくなるくらい自分の感覚が失われた時期があったなどとあり、何か治療困難な持病を持っておられるのだなとは思ったけれど、ガンだったのか…。
 伊藤氏の本はデビュー作の「虐殺器官」、ノヴェライズの「メタルギア・ソリッド」、そして近刊の「ハーモニー」の三作で終わってしまったことになる。これを、それでも三作は世に残せたと考えるべきなのか、三作で終わってしまったと惜しむべきなのか、読者ですらない身にはなんとも言えない。
 ただ、インタビューで次作の構想を語っておられるのを読んでいたから、それを果たせないで終わったことは無念だったろうなと思う。どんな人でも、その死には果たせないものがつきまとうものだろうけれど。
 高く評価された作品でも、作風が合わないような予感がするとなかなか手を伸ばしにくい。伊藤氏の作品を多くのレビューで目にしつつ読まずにいたのもそれがある。だから、申し訳ないけれどこれから読みます、とも言い切れない。でも、意思と才能があり、次も目指していた人が失われたと聞くと、だらだらと生きている自分を振り返ってしまう。

 デビュー作「虐殺器官」についてのインタビューをwebで発見。まだ34才だったんですね…。