さよなら、「かぐや」
しがない庶民の私は、おそらく死ぬまで自分の身体で宇宙を体験することはないでしょう。
そんな私があんなにも鮮明な月面の写真を、宇宙から眺めた地球の姿を、見ることができたのは「かぐや」のおかげです。初めてニュースであの画像を見たときの衝撃とワクワク感ときたら! おおげさかもですが、「生きてるうちにこんなものが見られるなんて!」とありがたい経文かなにかを拝んだおばあちゃんのようなリアクションをとってしまいました。
その「かぐや」が燃料つきて、今日月面に落下します。いや、もうしました、なのかな…。なんというか、無機物でできた、機械なんだけど、ありがとうありがとう、という気持ちになってしまいます。
昨日のNHKのニュースで「かぐや」に思い入れのある人たちのインタビューをやっていましたが、「月の裏の撮影をさせていたけれど、最後は表に誘導して終わらせてやりたい」とか「撮影できるか、可能性は低いけれど、最後の姿を見届けてやりたい」とか、功ある人間をねぎらうような言葉がいっぱい出てました。物に神を見つける日本人らしい感覚だなあと思いました。
日本の宇宙開発費はけして多くはなく、現場ではいかに安価に効果を上げるか、試行錯誤の日々だと聞きます。不景気でしんどいご時世、宇宙なんて夢物語に大金突っ込んでる場合じゃない、という意見も多々あるようですが、残念ながら月も宇宙もきれいな夢ばかりではなく生臭いビジネスの話が渦巻いてるわけで、日本としてはその生臭い戦場を遠巻きにしてもいられないはずです。というのは、イヤな大人の言い訳で、なんだかわかんないけどとにかく宇宙を目指す! みたいな気概はやっぱりあってほしいのです。
JAXAの「かぐや画像ギャラリー」にはなんと十日に撮影した写真まで載っています。最後の最後まで仕事してるんだなあ…。機械だから当然だろうけど、ここでどうしても「けなげ」という言葉を使いたくなってしまうわたくし。
何度見ても美しいでござるよ…。ダイヤモンドリングの動画もすてきでした。(ヲタ的には特に)
あとは「はやぶさ」が帰ってくるだけだ!<「だけ」じゃないって。
なんか、こんな本が出てるそうですよ。またもや萌えシフトかよ! という気もしますが、内容は結構硬派なんだそうな。