せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

天才がいっぱい

 どこかのブログで読んだんですが、今検索エンジンをつかうとブログの記事って割と上位に出てくるそうです。こ。怖ーい。わたくし、ナニでアレで角が立ちそうなことも書いちゃってるんで、あんまりブログのネットワーク的なところには登録しないようにしてるのに、それってある意味無駄?(そこまで考えるなら、公開式止めればいいじゃんよ>自分)
 と気にしつつ、しかし相変わらず思いつくままにだらだらしたことを書くのであった。(と言う前振りでおわかりのように、以下好きな人には「むー」と感じる内容なので、予感がした時点で離脱してください>該当者の方々)

 「笑わない数学者」、読了。うーん。もし全面的なすっきり感を求めたかったら、私はこの作家の作品を読んだらいかんのかもしれないって気がしてきました。トリックについては、私にしては珍しく序盤でサクサクっとわかったんです。とゆーか、以前同じトリックを別の作品で読んだわ。それはどうでもいいことで。(これだけ大量のミステリが書かれてれば、ネタにカブりが出ることもあろう)
 やっぱり動機の点ですっきりできないー。まるで横溝正史の血の因果もののように複雑な家系の一族を出しておきながら、よく考えるとそれはあんまり動機には関わってきてないというか。ある意味、事件の真犯人を多層化するためのブラフとしての複雑さなんだろうけど。
 それでも、ですね。(以下、一部ネタわれチックなので、未読の人は避難)そもそもNさんがR2さんを殺してどういうメリットがあるのかわからない。憎悪が理由と言われても、どうして憎むのかもわからない。かの人の教唆の元にやった、と言えばそうなんだろうけど。過去においてS1さんとS1さんが好きなKさんが共謀してAさんを殺してるそうなのに、そのS1さんが本当に愛してるのはR1さんだそうで、Kさんには殺人の実りがまったくない状態でS1さんのその後も知らずに平気で暮らしてるのはなぜなんだ?
 とか、過去を含めると結構な数の人死にがあったってのに、どの事件も「解決!」という心理的スッキリ感がないのです。結局このシリーズは、究極にパズルミステリーと考えるべきなのかな。だとしたら、いっそ動機は陳腐なくらいシンプルでもいいような気がする。その方が純粋にパズル性を楽しめるんじゃないか。
 探偵役の言うことも確かに一理あって、人の気持ちを一から十まで他者が理解するなんて無理なわけです。殺人なんて非日常に移行する理由が、簡単に分析できるわけがないとも言えるわけです。確かに、まことしやかに動機を述べ立てる探偵は返って怪しげではあります。
 だけどねえ。他の人はさておき、メインキャラの感情のあれこれってものはそれなりに描写されてるわけで、それと殺人者側の希薄さを比較してしまうから釈然としないと言うか、バランスが悪く感じちゃうんだろうな。そっちの気持ちはアリなのに、動機含む犯罪者側の気持ちはナシなのか?と。
 それと、やっぱヒロインが。動かない探偵役の代わりに無茶でも何でも動いてくれなきゃ話が進まなくて困るのはわかるが、この人との距離の取れなさっぷりはすごい。よくぞ女子校で大過なく生き残ってこれたものだと思う。女性の人間関係で個体間距離がつかめないのは致命的です。
 お嬢様で探偵役といえば北村薫覆面作家を思い出すのだけど、新妻千秋を苦手だという女性は西之園萌絵を苦手とする女性より圧倒的に少ない気がするのだが、私のうがちすぎだろうか。

 後ね。このシリーズ、天才と呼ばれる人が出すぎじゃないですか?天才ってそんなにたくさんいるのかなあ。