せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

爺、暴走中

 先週「最終回」と銘打っておいて、三日後にこんなことを書くのは我ながらどうかだが。
 すごいよ、「愛の流刑地」。行くとこまで行ったね。ナベ爺は痴呆症(最近「認知症」という別の名に変わったそうだが、ここはどうしてもこう書きたい)を発症してるとしか思えない。

 と唖然ボー然となった週明けの休憩室。
 先週の水木金あたりの展開も、今こんな話を全国紙で書くのはもはや勇気!としか思えない陳腐な出来事と言い回しのオンパレードだったが、ある意味今日はそれにも勝る。
 「デベロッパー」はまあいい。許そう。「プランテーション」とか言い出さなかっただけ偉いぞ>爺。「土地開発業者」なんて色気のないものを引き合いに出すのも新味と言えなくもない。
 いつものように、きくぢが冬香の数言から自分に都合のいい妄想を繰り広げるのも見逃そう。(それを見逃さなかったら、この話は読めない)
 今回最大級の口あんぐりな記述は

(きくぢが)
圧倒的な愛と度重なる口説と好色なテクニックで懸命に努めた

結果、冬香が夫からは得られなかった性の高みに登りつめた。
 とか言いさらしてるとこである。
 どこのボケ老人が寝言を言ってるんでしょうか?
 誰がいつ、そんなたいそうなことをしたってんでしょうか?いつ、何時何分何十秒!<相手のレベルが低いので、こっちも合わせてみました。
 こんな安くてみみっちい愛と人の話も聞かず言葉も渋ったサイテーのコミュニケーションと特にどーってことないテクニックでナニが花開くというのかね?確かに呆れのあまり私の口は大きく開いたよ。
 まったく、ナベ爺のお相手を務めた女性たちはまさにプロ中のプロだったんだろう。爺をみごとにだまくらかし夢の世界に遊ばせ続けたんだから。しかし、いくら相手がプロとはいえ、あっさり謀られる程度の洞察力しかない御仁がどうやって至上の愛を書くっつーのか。てーか、本人書いてるつもりのようですが。
 「視覚障碍者読書支援協会」(こんな志の高そうなところから駄文に引用するのは気が引けるが)の「私の京都」byナベ爺の記述を読むと、京都で「遊んで遊んで遊び尽くすだけの器量」があったがために爺は壮大な勘違いをしてしまったものと思われ。「愛ルケ」を目にした川端ファンや谷崎ファンは「先行する谷崎文学や川端文学を継承する世界を創造することができた」などとは断じて認めまい。川端も谷崎もろくに読んだことがない私も認めない。そんなことをしたら、二人が墓の下で号泣するであろう。

 以前、筒井康隆の「家族八景」だったかで、身勝手な男どもの性欲求が文章になって過剰に垂れ流されるのを読んだけど、「愛ルケ」はそれを彷彿とさせますわ。まさか小説家のイマジネーションの産物ではなく、リアルな妄想が全国ネットでダダ漏れになるのを見る時代になろうとは。
 日経新聞も英断を下したものよのう。ナベ爺の脳内ストリップえろ妄想版をあんなに人目につくところに載せてるんだもんなあ。
 そう考えたらこの小説まがいの散文は、後に老人の性欲求の分析文献として役に立つのかもしれん。

2/1追記
 実は月曜版ですっかりいやんになって土日の「愛ルケ」は読んでなかったんだが、「にっけいしんぶん」さんを覗きに行って↑以上にびっくり。きくぢと冬香の色ボケ珍道中として笑って読むのも憚られる問題発言の数々。
 曲がりなりにもかつては医学を修めた人間が書いてるとは思えない。新聞小説(のようなもの)を書いてるくせに、新聞読んでねえだろう>ナベ爺。ちったあ今時の日本の実情を勉強しろや。
 こんなアホな価値観の男がいるから、少子化が進むんだって。「子育ては夫婦二人のもの」なんて、男は思いやしないんだわーと女はあきらめちゃうのよ。
 子どもがいないことを思い詰めてる夫婦が、日本中にどれくらいいるか知ってるのか?その原因が女だけでなく、男にもあることをわかってんのか?
 先進国と呼ばれる国の中で珍しくAIDSや性病の罹患率が上がってるこっ恥ずかしい国になってるって知ってんのか?冬香を無意味かつ無駄に恥ずかしがらせてる場合じゃねえぞ。国辱もんだぞ。
 貧しい。貧しすぎる。こんなやつが偉そうに選考委員に収まってる直木賞の見識も疑う。(すでにメッタ斬りされてはいるが)

 これだけは言いたいのだが(って、こんなとこで言ったって誰も聞きゃあしないんだが)、今後一切「愛ルケ」を文学作品として女性の前でほめたりするな>きくぢと同年齢以上の男性。笑えるポルノ小説として楽しむ分にはいい、でも口が腐っても「男の真実」だとか「至高の愛」とかそんなもんを書いてるなんて言うな。でないと、あなたの品格が下がる。その瞬間に、相手の女性は(「愛ルケ」がなんぞやと知っていたら)あなたとの間に永久に埋められない溝を作るだろう。ついでに給湯室で「**さんって『愛ルケ』がすばらしいなんて言ってたよ」「わー、サイテー。キモー」と噂されること間違いなし。
 全く。ナベ爺がいらんイメージをつけたばっかりに、老年の性全般の印象が悪くなることが懸念されますな。年のいった男性がみんな、ナベ爺と同じ即物的で底の浅い人ばかりじゃないだろうに。