「劫尽童女」、読了
恩田陸にしてはわかりやすい!
ちゃんときっぱりしたオチがある!
とか、感想としてどうか?なことを言うな>自分。でも、恩田陸と言えばカタルシスなくもやっと終わる、という印象が強いから、最後に「物語の終わり」らしい絵がついているのがすごく意外だったりしたもんで。主人公がローティーンだから、もやっと放置されたらかわいそうだからかしら。
ただ、その恩田陸「らしくなさ」が読後の満足感としては仇になってるかなあ。ふつーっぽい。遙の見つけた「生きる道」がちと無難すぎかなあと。それと、作品世界がはっきり見えてる分、主人公には関係ないかもしれないけど話の筋として回収してほしかったかなあ?と感じる脇ネタが気にかかる。
あと、犬!アレキサンダーにもう少し活躍してほしかった。途中絡めそうな存在も出てきたのに。惜しい、犬好きとしては。
ご本人も意識しておられるように古き良きジュブナイルテイストだから、十代にお勧めすべき本なのかなと思ったけど、抜群の殺傷能力を誇る子供の話なんか、最近のゲームのレーティングの厳しさを考えたら無理っぽいな。
巻末の外薗昌也の解説がおもしろい。同世代のSF好きが無意識に同調してるなんて、不思議な縁というか。SFヲはみな潜在的に兄弟か?(<いやー(笑)ちょっと妹萌え要素を盛り込みすぎかなーと思ったけど、「琉伽といた夏」もジュブナイル感のあるSFで過ぎ去った夏の物語としておもしろかった。
ライトノベルではなく、ジュブナイルとしてのSFがもっとあってもいいような気がする古ヲなのです。