せまい脳内行ったり来たり/放浪編

もはや主にTwitterのまとめだったのに、2018年9月で途絶えている…。

「Q.E.D 諏訪の神霊」、読了

QED 諏訪の神霊 (講談社ノベルス タS- 22)
 今回諏訪大社に関するウンチクが複雑すぎて、通勤の友としてだらだら時間かけて読んでいたらタタルさんの講釈がわけわかんなくなりそうだったので、連休中にあわてて読了。高校のときに世界史を取らない人の言うことにゃ、カタカナの人名や地名を羅列されると覚える気が激減だそうですが、どうして昔の日本の人名地名も大混乱ですよ! 建御名方神と建御雷神が力比べをしてうんぬん、以下その因縁がどーのこーのと続けられて、どっちがどっちかわかんなくなったとして誰が私を責められるでしょうか?<自己弁護。
 というわけで、今回はあっと驚くタタルさんから奈々ちゃんへ「GWに旅行に行かないか?(正確には「御柱祭」に代表される諏訪大社のあれこれを検証するために諏訪に行かないか)」というお誘いからスタート。もちろん朴念仁のタタルさんには全く・ひとかけらも下心はなく(と思うんだがどうだね)、困惑するのは奈々ちゃんばかりなのであった。そして、もちろんこの二人の行くところ、死体の転がらぬわけがない。かの地の新興住宅地に起きた連続殺人事件と諏訪大社にまつわる謎を、例によってタタルさんが偏った知識で解決するぞ!
 まあ、今回は歴史うんちくと殺人事件がまあまあリンクしたほうじゃないでしょうか。ここ数作はミステリとして発表するから殺人事件も起こってるけど、本筋はそっちじゃないよね、的な話がちらほら発生してましたから。しかし、古代の勢力関係の細かさと、関連施設に関連行事の多さにうんちくを細かく理解するのは今回ちょっと棚上げ気味です。この辺は別途基礎知識を入れたいところ。
 このシリーズの古代史の切り口や謎への決着のつけ方にはいろいろと異論はあると思われ、私も端から鵜呑みにする気はなっしん、ですが、読めば伝奇小説とか読むときに役立ちそうな日本の歴史の裏舞台知識が身につくのはたいへんよいです。こないだ、会社の新聞に熊野方面に関する記事が載ってて、その辺座ってた派遣の皆さんが話題にしてたとき、Q.E.Dで仕込んだ知識で話に参加したら「すげー」と言われました。すげくないです、アヤしいミステリで得た知識なんですから! どんなことでも知ってて損なし、と思った瞬間。いろんなことがよりおもしろくなる。
 そういう邪念を持っておつきあいしているシリーズです(爆)。
 しかし、今回の最大のびっくりは。
 長野五輪が去年とか言ってるよ、この人たちは! この物語世界ではまだまだまだ20世紀かよ!
 そしてたぶん、20世紀中にはタタルさんと奈々ちゃんはどうにもならんな…。今回は熊つ崎くんや沙織ちゃんも気を利かせて二人旅にしてくれたってのに、何の進展もないしな。ちゅーか、21世紀になったら奈々ちゃん30ですが。なんとかしろよ、タタル!